ダイエーが大当たり。黄金時代の礎となった人材を輩出した年。
逆指名は赤枠。通算安打=Hと通算勝利数=W セーブ=S、そしてH=1ポイント、W=10ポイント、S=5ポイントでチームごと、リーグごとのポイントをつけた。グレー地は入団拒否。えんじ色は移籍。移籍後の記録は加算していない。ただし元のチームに復帰した時はその数字も加算。
要するにドラフトで獲得した選手が、直接的にどれだけ貢献したかを数値化。
巨人は逆指名の小野を含め上位で3投手を指名。小野以外の二人は脇役ながら活躍。三澤は近鉄で13勝。今も残るのはひょっとすると史上最高の「足のスペシャリスト」鈴木。
中日は2位の森野が地味ながら主軸打者に成長。1位の小山伸一郎は楽天で23勝36セーブ。今季まで現役だった。8位の宮越は西武で6勝。
阪神は天才と言われた好打者今岡。全盛期の勝負強さは抜群だった。2位にユーティリティの関本。3位に一時期強打で売り出した濱中。
逆指名で2人の投手を取った広島。沢崎は救援に転向、黒田はエースに。
ヤクルトは2位の岩村が小柄ながら強打の内野手として活躍。MLBから帰還後は嘘のように打てなくなる。
横浜は逆指名の河村が先発ローテを守る投手に。石井は西武、巨人で598安打。
ダイエーは井口、松中というリーグ屈指の強打者にスピード感のある柴原と主力打者が3人。ずば抜けた実績を残す。井口はロッテで775安打、いまだ健在。松中は言わずと知れた現役唯一の三冠王。
日本ハムの3位には小さな大打者小笠原が出た。巨人、中日でも770安打。7位の高橋信二は今季戦力外になったが現役続行の意向。
西武は、2位に森慎二。働き盛りにMLBのレイズに移籍したがキャンプ中の故障で1球も投げない内にリタイアした。谷中は阪神、楽天で16勝。捕手として入団した和田は外野に転向しスラッガーに、中日で962安打、2000本安打目前。
オリックスは2位の谷が「右のイチロー」的な活躍。巨人で515安打。しかしあと77に迫った2000本安打は厳しそうだ。
塩崎真も主力打者に育ったが、意外に盛りは短かった。
ロッテは捕手の清水と投手の竹清を逆指名で獲得したが、4位の小林がエース級に成長。5位の小坂も盗塁王2度、名内野手に育った。
近鉄は何かと問題を起しがちだったが球威のある投手だった前川と、NPB,MLBでクローザーとして活躍した大塚、そして楽天で376安打、初代チームリーダーとなった磯部。
7位の岩村敬士は同年ヤクルト2位の岩村明憲の実兄だが活躍できずに退団。
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1972年高橋直樹、全登板成績
広尾晃、3冊目の本が出ました。
特にダイエーが1~3位で、日本一を含めたホークス黄金時代のレギュラー、井口・松中・柴原をトリプルで獲得出来たのは、見事というほかありません。
しかも4位倉野、5位岡本と、地味ながら活躍し、今はコーチで名を上げつつある選手まで。
アトランタ組は選手18人中、この年に井口・松中・川村・森中・三澤・小野・今岡・谷と大挙プロ入り、ほとんどの選手が銀メダル獲得に貢献した力を発揮しました。
イチロー世代で、小笠原・松中という大物がやはり印象深い。
しかも、小坂誠・杉本友・谷中・塩崎という名脇役もいますが、この杉本友は筑波大学でロボット関連の制御工学専攻で、「国立大学初のドラフト1位」でした。
大卒社会人二年目世代でも、「日本一有名な用具係」入来祐作に、名球会入り間近の和田一浩、神奈川公立の星でセントポールのエースだった川村丈夫、「ヤワラちゃんと結婚した巧打者」谷佳知と揃ってます。
ゴジラ松井の同級生は、ゴジラ本人を除き大学・社会人経由の方が成功しているのが印象的ですが、井口・今岡・澤崎・黒田・清水・三澤・森慎二・副島・佐竹・・・と、決して谷間世代ではないと思える陣容です。
実は「慎之助と同学年」ながら在籍は巨人生え抜き最長で、「野球専用の走り」という点でスペシャルワンと言うべき地位になった鈴木尚広が4位にいます。
この、福島県相馬高校という無名校の小柄な選手がここまでの職人選手になるとは予想だにしていませんでした。