昨日、NPB80周年を記念して歴代ベスト9の発表があった。その中身の妥当性はあると思うが、選考のつまらなさにはあきれてしまった。
NPBの発表

1940年に初めて「ベストナイン」が選出されて以来、1947年以降は毎シーズン、その時代を代表する名プレーヤーがベストナインという勲章を手にしてきました。この度の「NPB80周年ベストナイン」は、過去69回の表彰の中から、それぞれのポジションで最多受賞回数を記録されている方を対象に「ベスト・オブ・ザ・ベストナイン」として選出いたしました。

一覧

Bset980-01


2リーグ分立後の昭和の選手が中心。プロ野球の全盛期はまさにこの時代だった。
顔ぶれ的には、投手の別所毅彦にやや疑問が残るが妥当性はあるとは思う。
日本テレビがやった投票のように「名前を知っている選手ランキング」にならなかったのは良かったが、選考基準がばかばかしすぎる。

ベスト9の最多受賞者。

リストさえあれば、識者や専門家でなくても、誰でも一瞬で決めることができる。
今回の発表は「ベスト9の顔ぶれ」ではなく「選考方法」の発表だったと言っても良い。

確かに異論の余地はないが、こういう選考は「異論の余地」があってこそ面白いのではないか。

打撃、投球、守備などの記録や名場面などの記憶や社会的インパクトなど様々な観点から選考を重ね、最終ノミネートをしたうえであとは投票にかけるとか、いろいろなベスト9を上げてそこから選ぶとか、世代別ベスト9をあげるとか、野球ファンが沸きそうな企画はいっぱいあったと思うのだが。
そういう議論を避けたとしか言いようがない。

NPBは野球ファンが沸くのが嫌いなのか、トラブルでも起こると思っているのだろうか。

ベスト9は、一つの基準だ。同じポジションに力が拮抗した選手がいれば、選ばれない可能性は多くなる。
反対に、傑出した選手がいれば、多少成績が悪くても選ばれる。今季の阿部慎之助のように。
絶対的なものではなく、相対的な評価だ。これだけを基にするのはそもそもおかしい。

もう少し知恵を働かしてベスト9を選ぶべきではないか。一番楽しい「選出までの過程」をこれまでNPBを支えてきたファンと共有すべきだったのではないか。
スポンサーの「リポビタンD」にとっても残念なことだったのではないか。
申し訳ないが、NPBにはやはり期待できないと思った。あなたがた「野球ファン」ではないでしょう!

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!




クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。
1973年成田文男、全登板成績


広尾晃、3冊目の本が出ました。