21世紀になった時にもNPBやMLBはベスト9を選んだ。
日本テレビは2000年にファン投票でセンチュリーベスト9というのを選出した。これはこれで変だった。

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100万以上の票が集まったが、昔の野球に興味がない人がかなり投票したために、変な結果になっている。
この結果を見てもわかるのは、ファン投票だけで選出するのはあまりよくないということだ。

MLBでは1999年、メジャーリーグベースボール・オールセンチュリー・チームというのを選んだ。
このときはまず各ポジション合せて100名の選手をノミネートして、その中からファン投票で25名を選び、そこに専門家が5名を追加して、30人のオールセンチュリーチームを選出。
その中からMLBがベスト9を選んだ。

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ファン投票だけでは最近の選手や人気者に票が偏ってしまう。その部分は野球史家などが補った。
最終のベスト9は、ファン投票に準拠しているが、外野手はファン投票2位のハンク・アーロンが外れてウィリー・メイズが選ばれている。
ピート・ローズが、オールセンチュリーチームに選ばれたことが物議をかもしたのを覚えている。

MLBの例でもわかるように、こうしたベスト9は、選考の過程で「昔の偉大な選手に思いを致す」絶好の機会となる。
だから選考過程をオープンにするとともに、ファン投票だけでなく、多角的な観点から選ぶべきである。

日本テレビのベスト9を見てもわかるように、日本はこうしたベスト9選びがへたくそである。
単なる人気投票になってしまうか、今回のNPBのように「お役所の人事異動の告知」になってしまう。
主催者側に野球史への愛着がある人が少ないのではないかと思う。

単なるキャンペーンや客寄せ行事ではなく、プロ野球と言う偉大な大衆文化の顕彰碑を建てるのだ、という責任感、使命感があれば、こういう形にはならなかったと思う。


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