唐突だが、腹が立って仕方がないから、アップする。
個別の選手について取り上げると、「あの選手は在日だ」というコメントをする人がかなりいる。他のメディアでも目に付く。その一例。
引退して1年・・・「代打の神様」桧山進次郎氏の今
私はそういうコメントを看過できない。絶対に許したくない。本当に恥ずかしいことだと思う。
プロ野球選手や芸能人だけではないが、世間には自らの出自を明かさず生活している人がいる。特に「在日」であることは明かさない人が多い。

なぜか、それを明かすことで未だに差別を受けるからだ。それだけ日本社会が後進的で愚かだと言うことだ。
差別は明らかに不当であり、出自を隠すのは正当な行為である。誰からも非難される筋合いはない。

「在日」というステイタスは、日本が国家としての責任をあいまいにしたために出来てしまったものだ。彼らが望んだものではない。
すでに戦後70年が経過しようとする中、在日の人々は韓国、朝鮮の人々ともライフスタイルや意識が大きく違ってきている。「同胞」というよりは「ルーツを同じくする別の文化を有する人々」になりつつある。
韓国や北朝鮮との仲が悪くなったからと言って、在日の人々を攻撃するのは全くの筋違いだ。恥知らずとしか言いようがない。

プロ野球選手に「在日」が多いのは、彼らが進学、就職の差別を受けていたために、能力を活かす道が限られていたからだ。
彼らがその道で活躍し、高収入を得たのは才能と努力のたまものである。
中には「日本社会に感謝すべきだ」という人もいるが、不当極まりない。謝罪すべきは謂れのない差別を加えてきた日本人の方だ。
野球界に「在日」の人々が多いのは、愚劣な差別をすることなく平等に選手を登用してきたからであり、誇らしいことだと思う。

私は大阪の高校に通学していたが、同級生には「在日」がたくさんいた。
普段はわからなくても、自宅に呼ばれると、室内の様子や出てくる食べ物などですぐにわかった。その友人にとって日本人である私を招くのは、大変な決心だったかもしれないが、私は彼の友情の厚さを感じた。また、家の人の歓迎は心温まるものだった。
長谷川晶一さんの「夏を赦す」という本には、私の体験と同じようなシーンが描かれている。



「在日」だから、国籍が違うから、奴らは醜悪なはずだ、悪いことをするはずだ、という思い込みは、無知と「世の中が良くないのは、自分たちとは違う誰かの責任だ」というインモラルから来ている。
言うまでもないが、在日であっても他の外国人であっても、人間としては日本人と何ら変わるところはない。
もちろん悪事を働く「在日」の人々もいるが、それは「在日」だからではない。犯罪者がいることを理由に差別をしてよい訳ではない。

昔はこんな恥ずかしいことを言う人はほとんどいなかったが、今は匿名でどんなひどいことでも発信することができるメディアがある。そのメディアがその人間の卑しさを増幅している。学校でそういうことを教えないのだろうか。

野球というスポーツは、差別を克服してきた歴史を有する。長く白人しか受け入れなかったMLBが黒人選手を受け入れたのは1947年のことだ。このときに野球は、レイシズムや愚かな差別、社会の不正に対して決別したのだ。その歴史は、日本の野球も共有しているはずだ。

YouTubeには「在日韓国人、朝鮮人」のまとめの動画が、凄まじい数アップされている。これは日本の恥だ。
Googleがまともな企業なのなら、わいせつ画像や暴力画像をブロックするのと同様に、この手の汚らしい動画もブロックすべきだ。そうでない限り、偉そうに利便者の最大利益をアピールする資格はない。
「在日」に対する差別は、部落差別と同じくらい悪質で、正当性がない。同じように対処すべきだ。

「在日」であることを隠している人を、他人が「在日だ」と暴くことは、許される行為ではない。また「在日」をカミングアウトしていたとしても、必要もないのにそれを取り上げるのも、デリカシーの無い恥ずかしい行為だ。

「在日」の人々に対する攻撃や差別は、人種差別である。一片の正当性もない。

当サイトでそのようなコメントがあった場合は、私はいつでも、何度でも反論する。その上で退場していただく。
そういう人は野球を語る資格はない。改めてここで言っておきたい。

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!




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