己を知ることができれば、人は「明智の人」になるという。川崎宗則が選ぼうとしている選択肢は、MLBではごく普通だが、NPBのエリート選手としてはまさに異色。
共同
米大リーグ、ブルージェイズからフリーエージェント(FA)となった川崎宗則内野手の代理人を務めるマーク・ピーパー氏は10日、マイナー契約を軸に2チームと交渉を進め、年内に合意するとの見通しを示した。
日本復帰よりも、米国でのプレーを希望する川崎に対し、5、6球団が関心を示し、2球団に絞り込んだという。来春のキャンプには招待選手として参加する見込み。ピーパー氏は「彼はどのチームにもエネルギーを与えられる。交渉は最終段階。最適なチームを選びたい」と話した。
キャリアSTATS
川崎宗則は2012年1月、シアトル・マリナーズとマイナー契約を結んだ。尊敬するイチローのチームメイトになりたい、その一心でスター選手の座をなげうったと言われた。
以後3年、川崎はマリナーズ、ブルージェイズでプレーした。しかし春先のステイタスがメジャー契約だったことは一度もない。
2012年は10月24日にFAとなり、その後中々去就が決まらなかったが、キャンプも終わり、オープン戦も終盤になった3月になってブルージェイズと契約。開幕はAAAで迎えたが、ホセ・レイエスの怪我に伴って昇格、以後、一度AAAに降格したもののシーズン通してほぼMLBに踏みとどまった。
2013年12月24日にマイナー契約を結びなおし、2014年もAAAで開幕。4月15日に昇格し、シーズン通してMLBでプレー。チームで最も多く二塁を守った。
そして今年も、マイナー契約でMLB挑戦しようとしているのだ。
NPBからMLBに移籍する選手は、ほとんどがスター選手だ。実績もあり、人気もあり、飛行機でいえばファーストクラスに座るのが当たり前だと思っている。
MLB側も当初はそれなりの待遇をするが、実力が伴わない、あるいはMLBに適応できないとわかると、手のひらを返したような対応をする。
スタメンから外す、マイナーに落とす。40人枠から外す。
NPBのスター選手は、理屈としてはそれを理解していても、現実をなかなか受け入れることができない。チームと軋轢を生んだり、腐ってファームで淀んだり。
「俺は、特別の存在じゃないんだ。一から競争して這い上がってやろう」
と気持ちを切り替える選手は本当に少ない。
そして結果的に短期間でNPBに復帰するのだ。「負けて帰ってきた」と言われても仕方がないだろう。
来年34歳になる川崎は、再びマイナー招待選手としてキャンプインし、若いライバルとの競争に打ち勝ってMLBに昇格しようとしている。
NPBに復帰すれば、レギュラー内野手の座が用意されている。年俸もMLBよりも高い。しかし、それでも川﨑はアメリカを選んでいる。
MLB帰りのNPB選手が余り活躍できないのは、年齢が嵩むせいもあるが、アメリカでの「負け犬体験」が選手の勢いを殺いでいる部分も大きいと思う。
その点、下から這い上がることを繰り返している川﨑は、闘争心も、勢いも失っていないはずだ。NPBでも活躍すると思う。
「挑戦」とは、「何も約束されていない状態」で「自らの力でそれを獲得する」ことだ。
それは過酷だ。NPBのふかふかした椅子に見向きもせず、厳しい椅子取りゲームに挑む川﨑は、その挑戦を繰り返している。これは田口壮以来。そして内野手では彼ひとり。
川﨑宗則は本当の意味でMLBをリスペクトしているのだろう。そういう彼を私はリスペクトする。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
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日本復帰よりも、米国でのプレーを希望する川崎に対し、5、6球団が関心を示し、2球団に絞り込んだという。来春のキャンプには招待選手として参加する見込み。ピーパー氏は「彼はどのチームにもエネルギーを与えられる。交渉は最終段階。最適なチームを選びたい」と話した。
キャリアSTATS
川崎宗則は2012年1月、シアトル・マリナーズとマイナー契約を結んだ。尊敬するイチローのチームメイトになりたい、その一心でスター選手の座をなげうったと言われた。
以後3年、川崎はマリナーズ、ブルージェイズでプレーした。しかし春先のステイタスがメジャー契約だったことは一度もない。
2012年は10月24日にFAとなり、その後中々去就が決まらなかったが、キャンプも終わり、オープン戦も終盤になった3月になってブルージェイズと契約。開幕はAAAで迎えたが、ホセ・レイエスの怪我に伴って昇格、以後、一度AAAに降格したもののシーズン通してほぼMLBに踏みとどまった。
2013年12月24日にマイナー契約を結びなおし、2014年もAAAで開幕。4月15日に昇格し、シーズン通してMLBでプレー。チームで最も多く二塁を守った。
そして今年も、マイナー契約でMLB挑戦しようとしているのだ。
NPBからMLBに移籍する選手は、ほとんどがスター選手だ。実績もあり、人気もあり、飛行機でいえばファーストクラスに座るのが当たり前だと思っている。
MLB側も当初はそれなりの待遇をするが、実力が伴わない、あるいはMLBに適応できないとわかると、手のひらを返したような対応をする。
スタメンから外す、マイナーに落とす。40人枠から外す。
NPBのスター選手は、理屈としてはそれを理解していても、現実をなかなか受け入れることができない。チームと軋轢を生んだり、腐ってファームで淀んだり。
「俺は、特別の存在じゃないんだ。一から競争して這い上がってやろう」
と気持ちを切り替える選手は本当に少ない。
そして結果的に短期間でNPBに復帰するのだ。「負けて帰ってきた」と言われても仕方がないだろう。
来年34歳になる川崎は、再びマイナー招待選手としてキャンプインし、若いライバルとの競争に打ち勝ってMLBに昇格しようとしている。
NPBに復帰すれば、レギュラー内野手の座が用意されている。年俸もMLBよりも高い。しかし、それでも川﨑はアメリカを選んでいる。
MLB帰りのNPB選手が余り活躍できないのは、年齢が嵩むせいもあるが、アメリカでの「負け犬体験」が選手の勢いを殺いでいる部分も大きいと思う。
その点、下から這い上がることを繰り返している川﨑は、闘争心も、勢いも失っていないはずだ。NPBでも活躍すると思う。
「挑戦」とは、「何も約束されていない状態」で「自らの力でそれを獲得する」ことだ。
それは過酷だ。NPBのふかふかした椅子に見向きもせず、厳しい椅子取りゲームに挑む川﨑は、その挑戦を繰り返している。これは田口壮以来。そして内野手では彼ひとり。
川﨑宗則は本当の意味でMLBをリスペクトしているのだろう。そういう彼を私はリスペクトする。
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