前の投稿に黒田博樹のキャリアSTATSを入れるつもりで忘れてしまった。追加で入れようとSTATSを見ていたら、いろいろなことが見えてきたので、別稿にすることにした。
黒田博樹のキャリアSTATS ※はNPBの2000-2007年の数値。

Kuroda-Hiroki


1996年ドラフト2位逆指名で広島入り。専修大学出身。ドラフト同期、同学年には井口忠仁、柴原洋、澤崎俊和(広島1位)、今岡誠がいる。

SO/BBを見ても、当初は制球に苦しんでいたことが分かる。
しかし5年目に成長を遂げてローテーション投手になってからMLBに移籍するまで規定投球回数を維持。
この間、最多勝を1度、最優秀防御率を1度受賞。

2008年にMLBに移籍、2009年に左わき腹を故障、さらにインターリーグのダイアモンドバックス戦でラスティ・ライアルの打球を頭部に受けてDL入り。この年は規定投球回数に達しなかった。
しかしこの年を除いてずっと、200回前後を投げる。イニングイーターと言って良いのではないか。

この間、ドジャースからヤンキースに移籍したが、ERAやFIP、WHIP、SO/BBなど率系の数値はほとんど変動がない。いつも同じあたり。
抜群の数字ではないが、毎年合格点の数字を上げつづけているのだ。

その結果としてMLBでの通算ERA、FIP、WHIP、SO/BBはすべてNPB時代よりも上。

NPBの未完成の若い時代(1997-99)を抜いた数字※と比較しても、全く遜色ない数字になっている。

黒田博樹はNPBと同じレベルのパフォーマンスをMLBでも続けているのだ。
NPBの黒田は20代後半から30代前半だったが、MLBの黒田は30代前半から後半。力が衰える筈の時期に新たな挑戦をして、それを高いレベルでクリアしたのだ。
それは実質的には肉体の衰えを乗り越えて「黒田が進化した」ことを意味している。

派手な活躍はないからMLBのオールスターには選出されていないし、タイトルにも無縁だが、黒田はNPB出身投手としては野茂英雄に次ぐ偉大な存在と言ってよいだろう。


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