KBOの27歳の遊撃手と、NPBの33歳の遊撃手、どちらに価値があるか、MLBというフィルターを通して考えてみよう。
仮に鳥谷敬が、KBOに渡ってプレーをすれば、本塁打王にはなれないだろうが、首位打者を取るくらいの活躍はするだろう。KBOにも良い投手はいるが、その数は限られている。WBCでも対戦を重ねるにつれて、NPBは易々と韓国を打ち負かした。二線級の投手が極端に落ちるのだ。確実性のある鳥谷の打撃なら、攻略は容易だろう。守備でも荒々しいKBOの中では際立って見えるだろう。

姜正浩が、NPBでプレーをすれば、本塁打は鳥谷よりも多く打つかもしれないが、打率は急落するだろう。NPBの投手は優秀だ。すぐに欠点を見つけて攻め立てる。そして先発も救援もレベルが高い。また高度な連係プレーも彼を悩ませるだろう。下手をすると外野にコンバートされるかもしれない。

しかし二人がMLBに行けば、その評価は大きく変わるはずだ。

二人の緒元を比較する。

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年俸は鳥谷が7倍近く多い。リーグが違うから単純比較はできないが、通算成績も鳥谷が上だ。ただ長打力は姜正浩の方が明らかに上。

しかし2014年の成績だけで見れば、その評価は決定的になる。姜正浩はスラッガーだが、鳥谷敬は長打の無いアベレージヒッター。

MLBではMLBで実績のない選手の評価は「時価」になる。過去の実績や、これまでの年俸などはちゃらにして、「今、使えるかどうか」だけが考慮の対象となる。

年齢を考えても鳥谷はすでにピークを過ぎているが、姜正浩はこれから頂に臨もうとしている。
そして、NPBという「箱庭」のような野球に完全に順応していた鳥谷と、レベルは低いが「作戦」「戦術」よりも、「投げる」「打つ」「走る」というプリミティブな能力が重視されるKBOでプレーしていた選手の方が、よりMLBになじみやすい。

ウィンターミーティングを過ぎても声がかからない鳥谷と、早々に入札があった姜正浩。二人の差はNPBとKBOの野球の質の差だ。

NPBの野球は世界的に見ればガラパゴス化しているとも言えよう。



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