「黒田博樹は、サンディエゴ・パドレス=SDとの試合で、彼が残留という選択をしたことが、正解であることを示した」という風な見出しがいくつか躍った。確かに、今回の登板は重要だった。黒田はほぼ完ぺきな投球だった。
 



ほとんどの登板で、黒田は第1球をシンカーから入っていたが、この日は4シーム。6/13のシンシナティ・レッズ=CIN戦以来だ。ここ数試合、まっすぐがよく伸びているようだ。この日の黒田は、ゴロが多かった。低めをついて打たせて取るという、彼本来の投球に戻っていた。

SDも、LADもすでにペナントレースからは置き去りにされているが、テールエンド脱出を争うライバルでもある。ともに貧打であり、SDレイトス(試合前で5勝10敗)も黒田(6勝13敗)も、好投が報われない投手同士だった。

ある意味で、この試合で黒田は純粋に自らの力を示そうとしたように思う。すでに市場は閉まっており(まだ取引の余地はあるが)、誰かにアピールするためではなく、自分が理想とする投球をしたのではないか。これまでも見事な投球を見せていたが、ギアがもう一段入った感があった。

マイナーから上がったばかりの2008年SDドラフト3位のブレーク・テコッテにタイミングを合わされ3被安打、2盗塁を許したが、あとはグズマンに1安打されただけ。7回に少しだけピンチを迎えたが、100球ちょうどで7回を0封した。

4回のマット・ケンプのタイムリーでLADはわずかに1点のリードを保った。こういうケースで黒田に勝ち星がつくことは稀だったが、ベテランのマクドゥーガル、ルーキーのグエッラが守りきって黒田に7勝目がついた。

彼が他チームで投げるのを見たかったが、緊張の糸を切ることなく投げることができるのなら、それはそれで注目したい。何か、新しい物語が始まるのかもしれない。

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