今シーズンのNPBの異変は何度か数字で取り上げてきたが、個人記録の面でも大きな変化がある。2005年からの3割打者と防御率2点以上の投手の数の推移を見てみた。





規定打席以上の打者の30%以上が3割打者だったが、今年は半減している。投手の方は、すでに言われていることだが、セパ両リーグを合わせて防御率1点台の投手が両リーグで10人。2点以上が27人。3点台の先発投手は落第といってもよさそうだ(ちなみにパの2007年~2010年までの1点台投手述べ6人のうち4回は4年連続1点台のダルビッシュ)。

NPBは投打のバランスが大きく変わったのだが、興味深いことに同じような異変がMLBでも起こっているのだ。同じ表を作成した。



特にアリーグに注目していただきたい。規定打席以上が76人いるが(ちなみに最下位、76位は松井秀喜)、3割打者が9人に減っている。比率からいえばNPBよりも低い。そして防御率2点以上の投手が昨年から倍増以上。投打のバランスが大きく変化している。ナリーグの方は同様の異変が、2010年に始まっている。

これは何を意味しているのか?使用球が変化したわけではない。この2年ほどの間に特にALで新球場が2つできた。これは少し影響があったかもしれない。しかし、それ以上に、選手の世代交代が進みつつあることが大きいかもしれない。これまでリーグを引っ張ってきた選手が晩年を迎え、新たな選手が台頭する。投手の方が新陳代謝が少し早かったために、投手優位が起きているという仮説は立てることができよう。推移を見守りたい。

3割打者、2点台投手の価値は、今年と昨年以前では大きく変わっている。野球の数字は生き物だと思う。


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