このままいくと、今年のセリーグの本塁打王は新外国人バレンティン。34本前後になりそうだ。35本以下の本塁打王はセでは95年広島の江藤智以来。日本人では畠山が25本を超えるかどうか。
しかしパリーグでは、中村剛也が本塁打を量産している。





中村には50本超えが期待できる。統一球によってNPBの野球が激変する中で、この本塁打数はまさに驚異的だ。もともと天性の長距離砲ではあるが、今年、なぜこんなに打てるようになったのか。いくつか指標を見てみよう。



右打者の中村だが、右投手の成績が圧倒的に良い。右投手をしっかり打てることはレギュラー打者の条件ではあるが、それにしても左投手の成績がこんなに悪いとは驚きだ。左投手の打席では4割近く三振している。

では、球団別でみる。



レベルが低いとされるセリーグの投手よりパの投手を打ちこんでいる。その中でもオリックスを最大のお客さんにしていることが分かる。さらに球場別で見てみると、



何と京セラドーム大阪では6試合で7本塁打。ここ5試合連続で叩きこんでいる。金子千から2本、小林雅、岸田、中山、木佐貫、桑原。打っている投手はばらばらだが、救援投手から多く打っていることが分かる。

昨年中村はこの球場で1本も本塁打を打っていない。実は、今年6月、京セラドーム大阪では本塁打が急増している。特に6月11日からの7試合で18本塁打。中村はこの期間に5本塁打。京セラドーム大阪が、何らかの施策を行ったかどうかは不明だが、異常な数値の中で中村は本塁打を荒稼ぎしたのだ。

打てる投手、打てる状況で出来るだけ多く本塁打を打つ。こうした貪欲さが本塁打量産につながっている。しかし、チームが低迷しているのを見てもわかるとおり、中村の貢献度はそれほど高くない。
無走者での本塁打が25本中17本、本塁打以外での打点が17、得点圏打率.230。
日本ハム中田翔の
無走者での本塁打が9本中4本、本塁打以外での打点が35、得点圏打率.352
と比べれば歴然だ。もちろん、西武の低迷は投手陣と前を打つ片岡の不振が大きいが、不動の4番中村が成績のわりに機能していないことにも問題があるといえよう。彼が投手からあまり恐れられていないのは、四球が少ないことからも見て取れる。ときどき出る一発を除けば、怖い打者とは思われていないのだ。

中村は、典型的な「下位チームの大砲」お山の大将である。チームへの貢献度を上げること、特に出塁率を上げ、得点圏でのしぶとい打撃こそが、大打者への道だと思う。

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