拍手はそれほど大きくはない。もうファンのお目当ては大谷翔平であり、中田翔であり、陽岱鋼なのだろう。ハンカチは色あせている。
ブルペンで念入りに肩を作る。前回の紅白戦では2回1失点、今回は期するところがあるはずだ。味方の4-1でマウンドに上がる。

以前に比べて膝を曲げたタイミングでの「ため」が少ない。フォームが小さい印象。
栗山英樹監督は斎藤を中継ぎで使う気ではないか。

先頭の関根大気にいきなり二塁打。二死後、靏岡賢二郎にタイムリーを打たれて失点。

次の回には松本啓二朗の二塁打、一死後新人の山下康輝にも二塁打を打たれる。茫然と打球の行方を見守る。

どうということはない半レギュラーの選手が簡単に打ち返す。球速もキレもない上に、制球も甘いのだろう。見ていられない、という感じがした。3回で2失点。
私は別に斎藤佑樹のファンではないつもりだが、「何とか抑えてほしい」と切望している自分に気が付いた。
野球ファンならみんなそうだろうが、彼のことを高校時代から知っている。気障な青いハンカチを覚えている。田中将大とのライバル関係も見てきた。
そして早稲田大学での、打者を見下ろすような投球も見てきた。キレのあるスライダーが印象的だった。
2012年のこの名護キャンプは「ハンカチブーム」に沸いたのだ。彼の行くところ、報道陣とファンの黒山がついてまわったのだ。
それから3年、すでに彼より若いスターも生まれ、彼はすっかり色あせてしまった。
実力だけでいえば、最初の対外試合で試されるような位置づけではない。斉藤に頼らなくても、若い戦力は次々と出てきている。しかし、栗山監督は彼を試した。
栗山監督も私たちと同様、「このまま終わるのはあまりにも残念だ」と思っているのだろう。
プロ野球には鳴り物入りで入団して、期待を裏切る選手など掃いて捨てるほどいる。
しかし、斎藤佑樹は十代のときに、日本人の心を震わせるような活躍をした。華奢な体で大入道のような田中将大との死闘に打ち勝った。
まるで話に聞く澤村榮治のような目の覚めるような活躍で、スターダムにのし上がったのだ。
たとえ失敗するにしても、せめて「悲劇」と思わせるような「華」がほしい。日本中をあれほどわかせた若武者が、「二十歳過ぎればただの人」では、あまりにもやるせない。
無表情な彼のマウンドを見ながら、もはやハンカチは復活できないのかと思った。
手術も経験している。フィジカル面でも限界かも知れないが、例によって間合いの長い、慎重すぎるマウンドからは若さも闘争心も感じなかった。
スターになったプライドを必死に保とうとしているように思える。
開き直って、今一度、胸のすく投球を見せてほしい。そう思いながら球場を後にした。
私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
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クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。
1969年山内新一、全登板成績【ドラフト2位で入団も、2年目の初勝利】
広尾晃、3冊目の本が出ました。



以前に比べて膝を曲げたタイミングでの「ため」が少ない。フォームが小さい印象。
栗山英樹監督は斎藤を中継ぎで使う気ではないか。

先頭の関根大気にいきなり二塁打。二死後、靏岡賢二郎にタイムリーを打たれて失点。

次の回には松本啓二朗の二塁打、一死後新人の山下康輝にも二塁打を打たれる。茫然と打球の行方を見守る。

どうということはない半レギュラーの選手が簡単に打ち返す。球速もキレもない上に、制球も甘いのだろう。見ていられない、という感じがした。3回で2失点。
私は別に斎藤佑樹のファンではないつもりだが、「何とか抑えてほしい」と切望している自分に気が付いた。
野球ファンならみんなそうだろうが、彼のことを高校時代から知っている。気障な青いハンカチを覚えている。田中将大とのライバル関係も見てきた。
そして早稲田大学での、打者を見下ろすような投球も見てきた。キレのあるスライダーが印象的だった。
2012年のこの名護キャンプは「ハンカチブーム」に沸いたのだ。彼の行くところ、報道陣とファンの黒山がついてまわったのだ。
それから3年、すでに彼より若いスターも生まれ、彼はすっかり色あせてしまった。
実力だけでいえば、最初の対外試合で試されるような位置づけではない。斉藤に頼らなくても、若い戦力は次々と出てきている。しかし、栗山監督は彼を試した。
栗山監督も私たちと同様、「このまま終わるのはあまりにも残念だ」と思っているのだろう。
プロ野球には鳴り物入りで入団して、期待を裏切る選手など掃いて捨てるほどいる。
しかし、斎藤佑樹は十代のときに、日本人の心を震わせるような活躍をした。華奢な体で大入道のような田中将大との死闘に打ち勝った。
まるで話に聞く澤村榮治のような目の覚めるような活躍で、スターダムにのし上がったのだ。
たとえ失敗するにしても、せめて「悲劇」と思わせるような「華」がほしい。日本中をあれほどわかせた若武者が、「二十歳過ぎればただの人」では、あまりにもやるせない。
無表情な彼のマウンドを見ながら、もはやハンカチは復活できないのかと思った。
手術も経験している。フィジカル面でも限界かも知れないが、例によって間合いの長い、慎重すぎるマウンドからは若さも闘争心も感じなかった。
スターになったプライドを必死に保とうとしているように思える。
開き直って、今一度、胸のすく投球を見せてほしい。そう思いながら球場を後にした。
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このままの投球スタイルを維持するのは難しいのでは。
フォーム改造を迫られているのでは。
スリークォーター、サイドスロー、アンダースロー…。
それともニークロのようにナックルボーラー転身といった投球スタイルを思いきって変えるか?
今年どれだけやれるか?
イーグルスファンだが見ていきたい。