昨日の巨人の激励会で、渡邉恒雄氏が、また面白いことを言ったようだ。老耄著しい昨今の渡邉氏だが、言いたいことは言うのだ。
サンスポより

「統計的に確立された数字があるとはいえないけど、おおむね巨人ががんばってくれて景気が良くなる。クライマックス(シリーズ)と日本シリーズで勝ち抜いてもらって。その頃、株価も3万円説があるくらいですから」

以前に比べればたわごとのレベルはおとなしくなったのではないか。
1958年、長嶋茂雄が巨人に入団した途端、後楽園スタジアムの株価が跳ね上がったという話がある。
当時、この株を持っていた三原脩が後年述懐している。

ナショナルパスタイムであるプロ野球と景気の相関関係はあってもおかしくないと思える。

戦後の好景気と巨人の成績を並べてみたら何か見えるかもしれない。

Keiki-Giants


最初に気が付くのは、1955年から1973年まで、日本と言うのは短い「景気の谷」を挟んでずーっと景気が良かったのだということ。

私はこの時期に生まれたが、この間にうちの親は3回、家を買い直している。ローンを抱えても土地の値段がどんどん上がるから、返済しないうちに買い替えたのだ。
小さな車が我が家に来たかと思うと、それはより大きな車になり、テレビがカラーになり、電子レンジだステレオだ、全自動洗濯機だ、ツードアの冷凍冷蔵庫だ、と家の中に家電がどんどん増えていった時期。

今思い出してみれば、この期間、巨人以外のチームが優勝した記憶はほとんどない。相撲は大鵬幸喜が今の白鵬と同じように勝ち続け、政党と言えば自民党だった。

1973年のオイルショック以降、世間は一変した。「モノの価格は右肩上がりに上がり続けるだけではないんだ」ということを実感したのを覚えている。
この時期に巨人は勝ったり負けたりする普通のチームになり、中日、広島、ヤクルト、阪神と他のチームが優勝し始めた。
そしてパ・リーグも日本シリーズで勝つようになった。

以後も巨人は強い。しかし「絶対優位」ではなく「比較的優位」である。ちょっと油断をすれば下位に低迷することになる。

通算してみると好景気時の巨人の勝率は.592、優勝回数21回、それ以外の勝率は.539、12回。
「景気が良いときには巨人が優勝することが多い」とは言えるかもしれない。
しかし「巨人が優勝すると好景気が来る」とは言えないように思う。

景気が良くなると企業の広告予算も増えるから、讀賣新聞への広告出稿も増える。その余滴がジャイアンツにもまわってくる、だから大きな補強ができて優勝する、みたいなことは言えるが、巨人の優勝効果が全国に波及するとは言えないのではないか。


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