ニッカンスポーツにこんな記事が載った。
選抜高校野球大会の大会本部は1日、前日行われた準決勝の大阪桐蔭-敦賀気比(福井)の試合終了後に、福井テレビの取材班がアルプス席で終了時間を守らずに取材を続けたとして、スタッフ2人の取材証を返却させたと発表した。
 来年の第88回大会を通して取材できる通常の取材証を出さず、各日に割り当てる当日取材証のみ発行する措置も決めた。
ちょうど私が観戦していた日だ。大阪桐蔭-敦賀気比戦は第1試合、続いて東海大四髙-浦和学院の試合があった。
アルプス席は、試合終了が近くなると次の学校の応援団が端っこの方に入場し始める。
そして、試合終了と同時に応援席は「民族大移動」のように入替を始めるのだ。

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そのあわただしいさなかにインタビューをしたり、映像を撮っていたりしたとすれば、迷惑な話ではある。

しかし、敦賀気比は昨年9-15で負けた大阪桐蔭に雪辱した。その上、2打席連続満塁本塁打と言う空前の記録まで飛び出した。
福井テレビの取材クルーがエキサイトするのも無理はないと思われる。

この処分、厳しすぎないか。

福井テレビはフジ系列。この大会の主催者の一つである毎日新聞社とは別系列ではある。だから意地悪をしたとは思わない。
それよりも共催者である高野連の意向が強く出たのではないか。

取材に関しては、そういう内規があるのだろう。これまで甲子園の報道は何度も過熱した。取材時間を守らないどころか、選手の宿舎にまで押し掛けたり、プライベートに乱入することさえあった。
そういう過程を経て、厳しい取材規制ができたのだとは思う。

しかし厳罰すぎないか。福井テレビはスタッフ2人を欠いたまま昨日の決勝戦を取材したはずだ。

そして来年の春のセンバツの取材も、通しの取材証はもらえない。毎日、大会本部の報道陣受付に行って人数分のパスを発行してもらわなければならない。

これはつらいだろう。福井テレビは地上キー局のように、選手をタレントのように持ち上げたりはしないはずだ。ただただ郷土の学校の活躍に舞い上がってしまって、時間オーバーしただけではないのか。

福井テレビ報道部は「注意の声が聞こえなかったと聞いている。ルールの厳守を指導する」と話した(朝日新聞)。

こういう厳罰を目の当たりにすると、メディアは委縮するだろう。無理目の取材や、高野連の気に入らない取材などは、敢行しないようになるのではないか。

他のメディアは鬼の首を取ったように報道しているが、これは行き過ぎだと思う。過失ではあるが、厳罰に処すべきものとは思えない。
本当であれば、メディアがこぞって厳罰に対して抗議をしてもおかしくないと思うが。
昔のメディアは、ジャーナリズムが委縮するような権力行使に対しては、会社を超えて結束したと記憶するが。


高野連にしてみれば、良い「見せしめ」になったと思ったはずだ。
こういう形で高野連の「権威」が守られているのかもしれないが、メディアが遠慮するような雰囲気を作るのは良いこととは思えない。

恐らく、このペナルティはすぐに解除されるだろう。福井テレビや系列のお偉方が高野連に頭を下げて、おとがめなし、という「大人の決着」を見るのではないか。
高野連は世間に対して、「うちに逆らうと怖いよ」と睨みを利かすことができれば、目的は達したはずだ。

取材時間を守らなかったスタッフは、社員ならば配置換えをされるだろうし、業者ならば出禁になったことだろう。弱いところにしわ寄せがくる。
メディア各社はさらに「高野連の言いつけを守ろう」と思うだろう。

率直に言って、野球における「甲子園」は今や功罪半ばする存在だと思う。

少年野球は改革すべき時に来ているが、「高野連」「甲子園」が象牙の塔のようにそびえているために、改革が一向に進まない。

このニュースは「高野連」にとってもその「石頭」ぶりを知らしめたと言う点で、マイナスだと思うが、どうか。


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