松坂がNPB1軍のマウンドで投げる姿は当面見られそうにない。

サンスポ
ファームで調整中だったソフトバンク・松坂大輔投手(34)が2日、ヤフオクドームを訪れ、工藤公康監督(51)に現状の報告を行った。「肩の疲労感」を訴え、今後しばらくはノースロー調整を続けることとなった。
「ノースローは医者、トレーナーと話し合った上で決まりました。チームには申し訳ありませんという言葉しかないです」


松坂大輔は3月19日にインフルエンザに罹って戦線離脱。当初は3月31日のデビューを予定していたが延期になっていた。
24日には西戸崎合宿所で練習を再開したが、一向に調子が上がらず、今回の申し出となった。

外国人選手ならホームシックやサボタージュを疑うかも知れないが、誰よりもマウンドで投げたがる松坂のことだ。これは本当のことなのだろう。

オープン戦での戦績

Dice-K2015


数字だけを見れば落第とまでは言えないが、ぴりっとしたところがなかった。

松坂は調子が悪くても帳尻合わせができる投手だ。走者を山のように背負いながら、勝負勘で切る抜けるシーンは何度もあった。
本番でそういう綱渡りを見せてくれるのは良いが、“予行演習”であるオープン戦でもそういう投球しかできなかった。
相手を寄せ付けない松坂大輔本来のマウンドは戻ってこなかった。

その原因が「肩の疲労感」だったのか。トミー・ジョン手術をしたのは2011年。2012年に復帰したが、バランスの悪いフォームでの登板を続けているうちに、肩に負担がかかったのかもしれない。

松坂大輔は2008年を最後に、マウンドで納得のいくパフォーマンスを殆ど見せていない。
すでに往時の投球は幻影になっている。

いろいろな要因があっただろうが、端的に言えば松坂大輔は、環境の変化や自らの経年変化に柔軟に対応することができなかったのだろう。
18歳でピークを迎え、常に同世代の熱い視線をまといながらエースとして君臨した松坂は、自分が歳を取ることが信じられなかったのかもしれない。
カベに当たっても、少し無理をすれば突破できるという気持ちがどこかにあったのではないか。

そしてファンも、そういう松坂が好きだったのだ。無理に無理を重ね、腕も折れよとばかりに投げる投手こそがエースだと思ってきたのだ。
日本の野球ファンは澤村榮二、稲尾和久から、漫画Majorの滋野吾郎に至るまで、我が身を省みることなく投げまくる投手こそがエースだと思い、熱い拍手を送ってきた。。
その幻影が、松坂のマウンドに重なってしまう。

ソフトバンクは、3年12億円と言う年俸をどぶに捨てる可能性が出てきた。
MLBの30球団を含めても、圧倒的な「お金持ち球団」であるソフトバンクにとっては、痛くもかゆくもないコストかも知れないが、このまま松坂が消え去るのは本当に忍びない。

長く療養しても良いから、もう一度快投を見せてほしいと思う。


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