明らかに昨年とは違う。不安がいっぱいの開幕戦だった。
事前の触れ込みでは、今年の田中は肘への負担を減らすために4シームを減らし、2シームを多く投げることにしたという。球速も落ちるという。
それはどういうことなのか、明らかになった。
ブルージェイズは捕手のマーティンが二番。

Tanaka20150406


1回表、レイエスには変化球を3球投げて空振り三振。いきなりスプリッターを投げた。
マーティンには3つの球種でフルカウントから三ゴロ。バウティスタもスライダーで空振り三振。

2回表、エンカ―ナシオンをスライダーで空振り三振。ドナルドソンはスプリッターで三ゴロ。ナバーロもスライダーで打ち取ったが、ぼてぼてのゴロが内野安打に。ポムペイは右飛。

3回表、ピラーにはスライダーから入るが、鋭いゴロで抜ける左前打を打たれる。
トラビス、怖い打者とは思えないがストライクが入らない。初の四球。ここでレイエスが送りバント、田中と三塁ヘッドリーが追うが、ヘッドリーがつかんで一塁に悪投、ピラーが帰る。
マーティンが初球を右前打、2人が帰る。この球が一番速かった。ピンチになると、昨年までの田中は形相が変わり、速球をずばっと投げ込んだものだ。そういうギアチェンジができなかった。バウティスタは左飛。
ここで日本人投手にめっぽう強いエンカ―ナシオンが、内寄りの甘いコースに入ったシンカーを左中間スタンドに運ぶ。ドナルドソン、ナバーロをゴロで仕留める。

4回表、気落ちした感のある田中は、ボールが増える。プムお栄の三球目のファウルはポール際に飛び込む大きな当たり。ピラーがライナーで安打、二盗。ここでジラルディ監督が二塁のジャッジに注文を付けたが、これは次の投手を作るための時間稼ぎだろう。
レイエスを歩かせ二死一二塁でマーティンを9球かけて三振を奪う。82球。

田中は軸となる速球系の球がなく、かわす投球に終始した。2シームは黒田博樹と同じシンカー系の変化をしたが、制球が悪く決め球ではなかった。
結局、早い回からスプリッターを多投したが、打者はそれを見極めるようになった。
4回には自信が失われていた。逃げるような投球だった。

田中は明らかに本調子ではない。勝負を避けているようだった。1回から表情に余裕がなかった。
賢明な投手だから、次回の登板では修正をしてQSくらいは上げるかもしれないが、昨年の投球が戻ってくるかどうか、疑問だと思う。


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!




クラシックSTATS鑑賞もご覧ください。
1956年安原達佳、全登板成績【2年連続2ケタ勝利&リーグ優勝】


広尾晃、3冊目の本が出ました。