怪我さえしなければ、今年は投手のタイトルをいくつか取りそうだが、大谷翔平の意識は「投手」に傾いているのではないかと思われる。
今季の大谷の投打の戦績。

Otani2015


一昨日、復調なったランディ・メッセンジャーとの投げ合いで初黒星がついたが、今季の投球内容はずば抜けている。
勝星1位、奪三振1位、防御率2位、大崩れは5月22日のソフトバンク戦1度しかない。
同期、同年齢の藤浪晋太郎と比べても内容は上回っている。

対照的に打者成績は.274、10本塁打、31打点した昨年から大きく見劣りしている。
6/6、今季初めて投手として打線に名を連ねたが、それ以前のスタメンは5/24までさかのぼる。それ以降は代打が続いていた。
昨年と大きく違うのは、四球が1つもないことだ。昨年も多くはなかったが234打席で21の四球を選んだ。
今季の打者大谷は、打席でじっくり相手投手の球を見極めるゆとりがないように思われる。
結果を出したいという意識が強すぎる。代打で打席に立つときだけでなく、スタメンの時もとにかく結果を早く出したいと思っているようだ。打線の一員としてじっくり投手と対峙する意識が希薄になっていると思われる。

今季の打撃成績は「投手としてはすごい」のレベルだ。二刀流ではなく、1.5刀流というところか。

しかしながら、大谷は「二刀流」であることで、投手としても特別に配慮されていることは留意すべきだ。パリーグのエース格でありながら、投球回数はリーグ9位。ライバル藤浪晋太郎より16イニングも少ない。4/26の登板で足がつって5回で降板し、1度登板回避していることもあるが、完投は1回だけ。
打者として出場することを考えて、無理をさせていないのだ。投球数は今季2500球程度に収まるだろう。トップクラスよりは500球ほど少ない。
大谷が好成績を上げ続けているのは、他の投手よりも負担が軽いからでもあるのだ。
投手一本でいくことになれば、負担は今より重くなるだろう。

大谷に対して「打撃、もっとがんばれよ」と言える人は今いないのではないか。打撃成績が向上するかどうかは、本人次第だ。
そして本人の意識は「投手」に大きく傾いているのではないか。
入団時の経緯から見ても、「打者を辞めたい」とは言わないだろうが自然に落ち着くところに落ち着きそうだ。
投手大谷翔平の正念場は、その時にやってくるだろう。

0607


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