ヤクルトが7/8に阿部健太を育成選手登録したことがちょっとした話題になっている。
阿部は2002年近鉄にドラフト4順目で入団、2008年に阪神、2012年に約宇®途に移籍したが昨年30歳で現役を引退し、スコアラー兼打撃投手になった。
試合前はケージの打者に投げ、試合中はユニフォームに着替えてスコアを付ける。チーム付きのスコアラーである。
しかし今年のヤクルトは故障者が続出したため7/8、育成選手に戻ることになった。
投手としてではなく、二軍戦で内野手として守るため。そうしなければいけないほど陣容が薄くなっているのだ。
報知新聞によれば
2軍では深刻な野手不足に悩まされ、この日(7/8)のイースタン・楽天戦(戸田)では、育成選手の投手・中島が左翼で先発出場したほどだ。松井編成部長は「投手が(野手として出場して)けがをするよりいい。体もなまってないし、明日から試合に出られる」とした。

何が起こっているのかを視覚的に見てみよう。
チームのロースター一覧。ソフトバンクホークスの同じ表を横につけるとよくわかる。
えんじ字は育成枠。ピンク地は故障者。

Roster


ヤクルトは支配下登録選手が68人、育成選手が3人の71人。
今、投手5人(育成含む)、内野手4人(畠山含む)、外野手4人が故障している。
投手10人、捕手3人、野手15人を一軍登録すると、残りは投手12人、捕手4人、野手は10人。2軍戦でベンチにいる野手はたったの3人。2軍選手はイースタンリーグをほぼフル出場しなければならなくなる。代打、代走、守備固めなどはほとんどできなくなる。投手や捕手が急ごしらえの野手になるケースも出てくる。
出世前の選手の怪我や故障のリスクも増える。
そのリスクを軽減するために阿部を育成枠に戻し、どこでもいいから守らせようというのである。草野球の助っ人みたいなものだ。

昔に比べ、スポーツ医学の認識が進んだため、故障を押して選手を試合に出すことはなくなった。多くのチームでは、登録選手の2割前後が常時故障しているのが普通になった。
そして2軍戦は、10年前はイ96試合、ウ88試合だったが、今は110試合前後と増えている。
今までの陣容では、このような事態はどのチームで起こっても不思議ではないのだ。

ソフトバンクも、投手7人(育成含む)、捕手2人(育成含む)、内野手1人、外野手2人が故障しているが、1軍、2軍、3軍共にチーム編成に支障は起こっていない。
前にもふれたが、育成選手を中心とした3軍が整備されているからだ。

ヤクルトの2軍は、やりくりが精いっぱいで、選手をテストしたり、抜てきしたりする余裕はないのではないか。選手の育成は実質できないのではないか。
3人の育成枠の選手も、ただ「支配下からはみ出したから」登録しているだけで、存在意義は殆どないと思う。

ソフトバンクの2軍、3軍は激しい競争環境にある。前に紹介したが、3軍も非公式ながら80試合前後を行っている。選手は常時結果を出すことを求められる。

ヤクルトのファーム選手は、故障者の穴埋めで上がってくるが、ソフトバンクのファーム選手は、競争を勝ち抜いて帰ってくる。

この差は非常に大きいと思う。

巨人、ソフトバンクを除く球団は、育成枠をただのリザーブ枠に使っているだけだ。選手の強化には全く役立てていない。
多くの選手は故障の穴埋めで起用されるか、デッドストックされるかでしかない。

NPBのレベルアップとプロ野球の底辺拡大のために、3軍制の導入を真剣に考えるべき時が来ていると思う。
前にも言ったが、今の日本には「NPBの野球のスタイルをそのまま踏襲している」独立リーグが2つ、12球団も存在している。それぞれ地域で確固たる信頼を得ている。いいかげんなものではない。

MLB出戻りの大して働かない選手に出す金の、何分の一かで保有が可能だ。独立リーグを巻き込んでの「球界再編」の機運は到来していると思う。


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