NPBは143試合のうち100試合前後を消化した。もうあと1か月半でペナントレースは終了する。しかし、セ・パ合わせて二けた投手は1人しか出ていない。
パは大谷翔平が11勝、9勝が武田翔太、スタンリッジ、涌井の3人。
そしてセは、3投手が9勝を挙げているに過ぎない。
セの規定投球回数以上の投手、勝ち星ランキング。
投球回数が嵩んでいるのに、勝ち星が伸びていない。防御率は菅野が1点台をキープ。
投球内容が悪いわけではない。とにかく勝ち星がつかないのだ。
一番の原因は、登板回数の減少だ。NPBではローテを6人で回すのが一般的だ。先発投手の登板数は23強しかない。
2013年の田中将大のような神がかった登板をしない限り、20勝投手は出てこない。セでは20勝投手は2003年の井川慶が最後だ。
そして交流戦での大敗、それに加えて、今季のセは実力が伯仲していて、好投手でも勝ち続けることが難しいのだ。
単純に残り試合数を掛けると今季のセの最多勝は「12.6勝」ということになる、
下手をすると12勝でタイトルと言う可能性もある。
過去の勝ち星の少ない最多勝のランキング。
13勝が5人、14勝が3人。12勝で最多勝が決まれば史上最低である。
NPBでもMLBでもそうだが、投手の実力の指標として「勝利数」は形骸化しつつある。
今はめったに100勝投手が出ない。200勝は絶滅危惧種になっているが、今の投手が400勝投手である金田正一に比べて、4分の1、2分の1しか値打ちがないとはだれも思わないだろう。
野球の変質とともに、投手の価値を測る指標も変わりつつあるということなのだ。
ERAやWHIPなどの率ではなく、積み上げ方の新たな指標を考案する必要があるのかもしれない。
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1971年藤本和宏、全登板成績【ノーヒットノーランに最優秀防御率】
ただ、個人的には、例えば8回2失点としても、勝ってる状態でマウンドを降りるのと負けてる状態でマウンドを降りるのでは価値が違うと思うんです。今は、勝ってる状態で回が変わってもリリーフ投手が打たれた場合は勝ち星が消え、負けてる状態でも逆転しちゃえば負け星が消えるどころか運がよければ勝ち星が転がり込む、確かにこれは不公平だと思う。でも、6-2で勝ってる状態で継投するのと、0-2で負けてる状態で継投するのでは、野球というスポーツが勝利を第一義とするスポーツである以上は全然違うので、この辺を加味できてるものがあれば見てみたい気がします。
この点、今年の菅野は安定しているとは思いますが、7敗していることからも分かるように負けてる状態でマウンドを降りてるのは事実なんで、どうなのかな?とは思っています。打線との巡り合わせとはいえ、野球における投手の役割を最少失点に抑えることではなく、自チームより少ない点に抑えることと考えた場合、仕事をしていないことになりますので。