イチローはあと1本でタイ・カッブの記録に並ぶともっぱらの噂だ。しかしメディアはそれほど騒がない。
日米通算4000本の時は大騒ぎ、ベーブ・ルースの安打数を抜いた時は小騒ぎ、タイ・カッブの時はマイクロ騒ぎ。
タイ・カッブは「球聖」と呼ばれる偉大な選手だが、ベーブ・ルースに比べれば知名度はかなり劣る。メディアはルースの時ほど盛り上がらないと判断して取り上げないのだ。
残念なことだがイチロー自身のニュースバリューもやや落ちたかと思われる。
ニュース、記録の価値よりも「受けるかどうか」で報道の大きさが決まる。日本のメディアは寄席芸人みたいなもんである。そういう言い方をすると「受ける」ことに命を賭けている芸人諸氏に失礼だが、大したもんじゃない。
むしろアメリカでの報道のほうがしっかりしている。MLB公式サイトは、イチローがタイカッブに追いつきそうなことを報じている。
MLBとNPBの実力差は認めつつも、NPBにはそれなりの実力があることを認めている。長期にわたってトップリーグで活躍したことの「価値」は、正当に認めているのだ。
もちろん、公式記録には何ら書き加えることはないが。
このくらいの騒ぎでよいのではないか。カッブは偏屈ものだから、生きていたらクレームを言ったかもしれないが。
どんなレベルであれ、どこの国であれ、野球を続けることは貴い。イチローだけでなく、彼らの努力は認められるべきだ。
日米のメジャー、マイナー、独立リーグ、KBOまで加えると通算安打数ランキングはこうなる。3500安打以上。えんじ色は殿堂入り。RkはMLB通算安打数の順位。
ローズ、カッブの地位は揺るがない。イチローはNPB二軍での安打数がカッブのMLBマイナーでの安打数より10本少ないので、イチローとカッブの差は9本差。
アーロンが4位。
5位にはマイナーで3356安打を積み上げたジガー・スタッツが入る。
ジーターがその次。スタン・ミュージアルまでが4000本。
フリオ・フランコは日米韓に加えBCリーグでも19安打。本気で4000本を狙っているのではないか。
スペンサー・ハリスはマイナー最多安打だ。
この表は「へー」というだけのものだ。違うリーグの成績を足せばこうなりますよというだけ。あくまで参考記録。日米通算も同様だ。
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