感謝の2文字ではないか。MLBでも十分に通用する好打者が、NPBでここまで頑張ってくれたのだ。


日本的に言えば「ご縁があって」日本にやってきた。
2003年のレッドソックスのドラ1、日本のドラ1ではない。1500人近く指名される中のドラ1、全体32番目だ。
同期にはリッキー・ウィークス、ニック・マーケイキス、アーロン・ヒル、アダム・ジョーンズ。
彼自身も、スターへの道は開けていた。2006年にはカブスで規定打席に達して.297、18位にランクされた。
二塁打の1試合最多記録も持っていた。たまたまポジション争いに敗れ、不遇をかこっていたが、すぐにチャンスは巡ってくるものと思えた。

しかし、彼は阪神を選んだのだ。
ベンチでメモを取る様子が見られた。まじめで研究熱心、そして礼儀正しい。まじめなあまり周囲と軋轢を起こすこともなくはない。しかし、実績が、彼のステイタスを高めていった。
今年秋山翔吾に抜かれるだろうが、NPBのシーズン最多安打記録214を保持している。

1000本安打を達成した外国人選手。日系を除く。

murton2015


1000人以上いる外国人選手の中でわずか12人。
彼らは偉大な野球人と言えよう。異文化に溶け込み、そこで実績を残したという点では、イチローや松井秀喜に匹敵する。
多くの逸話をふりまき、文化のギャップへの不満を口にしつつも、実績を残したのだ。
MLBで活躍する可能性があった選手もいる。アメリカでは目が出なかった選手もいる。彼らは母国よりも厳しい環境を選び、そこで成功した。

相変わらず日本のメディアは外国人には酷薄だ。ほんの数週間不調なだけで「日本をなめている」「手を抜いている」。
球団もすぐに代役を探しに行く。
何年もろくに試合に出なくても年俸や身分がキープされる日本選手との差別は明白だ。

こんなつまらない面もあるが、彼はいい国だと思ってくれているはずだ。マートンは見限ることなく今後も安打を積み重ねてほしい。

murton


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