サンフランシスコ・シールズの昔は知らず、日本のトップリーグ代表が、アメリカのマイナーリーグ代表に圧勝しても、今では何の不思議もない。しかし、序盤は嫌な雰囲気が漂っていた。
まず先発菅野が調子が悪かった。球速は151km/h出ていたが、制球が悪かった。1回はいきなり2人を歩かせた。後続を断って事なきを得たが、アメリカ打線は意欲満々に見えた。
アメリカの先発、ジャレッド・グルーブは、2014年に1試合だけMLBで投げたが、今はメキシカン・リーグ、独立リーグなどで投げている。34歳、とても有望株とは言えないが、速球は150km/h未満ながらことごとく変化している。緩急も巧み。日本は攻めあぐねた。グルーブ自身、日本に売り込む気もあって気合が入っていたのだろう。
嫌な雰囲気だったのは、日本打線が簡単にボールに手を出して、凡退していたこと。ちょっと疲れているのかと思った。
その雰囲気のまま2回、6番マクブライドに一発が出る。3回には2番フレイジャー、3番アイブナーの連打で2点。このままいくのか、と思ったが。
日本は4回に筒香の二塁打で1点を返す。
まことに幸甚だったのは、ウィリー・ランドルフ監督(70年代後半のMLBを知る人には懐かしい名前)が、先発のグルーブを5回で降したことだ。まだ67球。
ここから出てくる投手がみんな、球速が遅いか、速くても制球がないかで、日本人打者の餌食となった。
6回は筒香のタイムリーの後、中田が3ラン、もう「定食メニュー」である。アメリカは左の筒香のために左のイブランドを出したが、右の中田にも投げさせた。次の投手ができていなかったのだろうが、この交代のミスが決定的だった。
そして7回には中田が敬遠されると松田が初球をたたいてグランドスラム。
左翼外野席を除いて、ほぼ満員の観客席は台湾人のNPBファン80%、日本人15%、USA応援団5%という感じだったが、お祭り騒ぎになった。
打撃が目立ったが、菅野が4回で降りた後、則本、山崎康、増井、澤村と続いた救援陣がほぼ完ぺきな投球をしたのが大きい。
アメリカは後から出る投手ほど悪くなるが、日本はレベルが落ちない。
トップリーグとマイナーリーグの差は歴然だったが、ほっとした試合ではあった。
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