フレディ・ガルシアが投げた時点で、この展開はほぼ予想できた。
0002


10日のメキシコ、ベネズエラ戦もガルシアが先発。老獪なピッチングで、6.1回を自責点2で収めたが、後続の投手が全くダメで、メキシコに簡単にひっくり返された。

Score


侍ジャパンに39歳MLB156勝投手は通用するか、興味を持っていたのだが、十分に通用した。
球速は140km/hそこそこ。真横から見ても折れ曲がるのがわかるツーシーム、スライダー、カーブも投げる。打ち気をそらす実にうまい投球。
あのいかり肩の怖い顔も、日本選手を威嚇した。

0003


0004


日本は2回に平田のタイムリー、4回には満塁から島の併殺打の間に1点が入ったが、打ち崩すことはできなかった。例えば秋山は鋭く振りぬいて対応しようとしていたが、ストライクゾーンに来たと思った球が、微妙にずれている。その狡猾な投球に翻弄された。
2013年を最後にMLBでは投げていない。今季はメキシカン・リーグの2球団で投げていたが、見事。いいものを見せてもらった。

日本の西は、第1戦、メキシコ戦に続いて制球が定まらず、調子が悪かった。小久保監督も、自チームの投手だったら3回で下しただろうが、預かりものの選手は自信喪失状態で返すわけにいかない。その温情が結果的に傷口を広げた。
1回に先頭オルメドが思い切って振りぬいて左翼席に叩き込む。これに気押された面もあったろう。逃げ腰の投球が目立った。4回にはアポダカにも一発。この捕手は打撃好調で、前の試合から7番から6番に上がっている。

0005


0006


5回から左腕の大野が投げる。この投手もメキシコ戦不振。小久保監督は不出来だった投手をあえて投げさせて再び「戦力化」させようとしている。3回を1安打に抑える。

0007


続く牧田も見事な投球。

0008


8回、山田に安打を打たれたタイミングでガルシアが降板。MLBでもよく見られるが、あちらのチームは回の途中で投手を下ろすことが多い。「責任投球回」という発想がないのだろう。次に安打を打たれたら降板という感じだったのだろう。

0009


しかし、それが勝負の明暗を分けた。
メキシコ戦でもそうだったが、ガルシアの後を投げる投手は力量的に大きく見劣りする。制球はおおざっぱで、あまり頭を使わない。
左の川端に、左のJマルティネスを当てて二塁打を打たれ二三塁となると、左の筒香を歩かせて中田翔と勝負。投手は右のエルナンデスに。
ソーホ監督のこの采配は、データを見ていないと言われても仕方がない。今日も1安打、恐ろしいまでに集中している中田にとって、エルナンデスは敵ではなかった。また逆転二塁打。場内総立ち。

0010


そして9回は松井。東京の開幕戦でセーブはとったもののさえない救援をした。1死からアポダカ、カラバイヨに連打される。オス―ナも歩かせて満塁。ここで守備がへたくそであまりいいところのなかったランダエタに代わってイエペス。彼はメキシコ戦ではスタメン。思い切り振りぬいて左翼二塁打。わずかしかいないベネズエラ応援席は大盛り上がり。

0011


0012


しかし9回裏、私はこのままでは終わらないと思った。この大会、4試合見たが、ベネズエラの救援投手がすんなりと抑えるところはほとんど見ていない。
代打今宮がいきなり安打。秋山が死球。中島が送る。二三塁、山田を歩かせて満塁。ここで投手ニエベが暴投。やすやすと同点に。

0013


仕方なくニエベは川端を歩かせてまた満塁。
また投手が代わったが「誰が投げても一緒」である。打者は途中出場の中村晃。フルカウント。アウトになれば、後ろに中田翔が控えている。またそういうおぜん立てになるかと思ったが、中村が鋭く左翼にはじき返して幕。

0014


0015


ベネズエラの選手は、ヒメネス、カラバイヨなどNPBに働き先を求めたい選手が多く、士気は非常に高かった。
打線は互角。投手のレベルはガルシアを除いて日本が上だが、監督は日本の方が圧倒的に上。
ソーホ監督は、意味のない投手交代をよくやったが、8回、ガルシアを行けるところまで行かせておけば、こういう展開にならなかったと思われる。
ベネズエラはトーナメント進出を逃した。ソーホ監督は記者会見を拒否したが、監督の責任は大きいだろう。

0016


0017


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!


2015年A.マエストリ、全登板成績【ビハインド時のリリーフ中心】
発売しました!