IBAF(国際野球連盟)のランキングは、2009年に制定された。プレミア12は、その上位12か国で争われている。推移を見ていこう。
2009年からの年度ごとの順位とポイント。色付きは、今回のプレミア12の出場国。
年度ごとの主要なイベントも載せた。

IBAFはスイスに本部があり、独立した機関として世界の野球を統括してきたが、五輪種目から除外されたために資金難に陥る。2011年にMLBが資金援助をしたことで、実質的にMLBの影響下に置かれるようになる。
それとともに、イベントもMLBの意向に沿った形となる。
独自に行っていたワールドカップを2011年限りでやめて、WBC(ワールド・ベースボール・クラシック)をそれに代わるトップチームの大会とする。
また、年代別のワールドカップ(WBSC U-00)も創設された。
さらに、WBCの間の年にはプレミア12も行われることとなった。
IBAFランキングはこうした大会での成績、各地域別の大会(アジアカップなど)の成績に基づいてポイントが加算される。
IBAFランキングは、世界の野球情勢が大きく変わる中で設定された。
これまでのワールドカップは原則としてアマの大会だった。MLB、NPBなどプロ選手は出場しない中でキューバが圧倒的に強かったが、プロも出場するWBCに移行してからランキングは下落している。
キューバ野球は今後、MLBの影響下に入ると思われる。
2008年を最後に野球はオリンピックの種目で亡くなったが、それとともに、中国は野球への興味を失い、MLBが資本を投下したプロリーグも解散し、ランキングは急落している。
同様に韓国も、オリンピック種目でなくなったために兵役免除などの恩典がなくなり、ランキングは下落している。
アメリカはMLBの全面的な協力が得られていないため、WBCが始まってからも優勝できていない。アメリカには社会人野球がなく、アマは大学主体。強いことは強いが、絶対的ではない。
こうした中で、プロ、アマともに野球が盛んな日本が、1位になっている。アマ大会、プロ大会ともにベストチームを組んでいるからだ。
台湾は韓国と比較しても実力的には劣ると思われるが、トップチームにベストメンバーを組むことで、好成績を残している。今回は残念だったが。
ヨーロッパではオランダが強い。今も元MLB選手、NPB選手が主体だが、オランダ本国でのリーグはヨーロッパ最強だ。
イタリアがこれに次ぐ。イタリアはMLB選手が少ないため、国際大会ではオランダに劣る。
中南米は、キューバを除いてMLBへの人材供給国となっている。国内リーグよりも、MLBでの活躍が主なために国際大家でのランクは高くなかった。
2013年WBCでドミニカが優勝したが、MLB選手が参加しないプレミア12では、弱かった。
オーストラリアはトップリーグがMLB傘下に入った。今後、上位に上がってくると思われる。
このランクは実際の実力というより、世界での野球の勢力図のようなものだ。
MLBが本気で国際大会に出場しない限り、実力ランキングにはならないだろう。

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