少し気になるコメントをいただいたので、改めて意見を述べておきたい。
今回の野球賭博事件について、NPBに求められるのは
1) 真相の徹底究明
2) 事件当時者、関連する人物の一掃
3) 再発防止

の3つだ。
野球選手の野球賭博、球場内での賭博行為などは違法行為であり、さらには犯罪や不正行為の温床になることは明らかである。
また、国民的な人気がある競技のアスリートであり、社会的な地位も高い野球選手が、常習性のある賭博を行っていたという事実は、プロ野球全体の信用を失墜させかねない。
NPBは、主体性をもって真相究明に、徹底的な行動をとるべきだった。

熊崎コミッショナーは、最低でも第三者委員会に徹底調査を委嘱すべきだった。
利害関係のない第三者によって、事件の徹底究明を行えば、少なくとも今回の報告よりは踏み込んだ報告が行われたはずだ。さらに、NPBや巨人などの責任についても、明確な指摘ができたはずだ。

第三者委員会でやっても結果は同じという意見もあるが、ではなぜそうしなかったのか。そのほうが、社会的な信用は高くなったはずなのに。

NPBが第三者委員会ではなく、自分たちで調査をしたのは、NPBや巨人がハンドリングできなくなることを恐れたからだ。予想外の事実の判明や、NPB、巨人への批判を恐れたからだ。
調査の前から報告書の「線引き」はあらかじめ決められていて、予定調和的に調査が行われただけだと考えるのが自然ではないか。3人の追放と原沢代表の辞任以上に傷口を広げないことがあらかじめ決められていたと考えるべきではないか。
熊崎コミッショナーの法律家としての専門知識は、この調査報告書に正当性があるかのような言辞を弄することに費やされたと思う。

さらに言えば、巨人軍なりNPBなりは、野球賭博に対して、告訴すべきだったと思う。
どういう形であれ、自分たちの管轄内で犯罪行為が行われていたわけだから、捜査権を持つ権力の手で徹底解明するべきだった。この可能性はまだあるが。

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大相撲の野球とばく事件に関連して立ち上げられた第三者委員会は、強い権限を持ち、力士や親方の処分を行った。
また、警察も積極的に動き、この捜査の過程で八百長事件も発覚した。
それは、大相撲の屋台骨を揺るがすような大事件になったが、これによって相撲界は浄化され、出直すことができた。
大相撲の浄化そのものは十分だったとは思わないが、少なくとも野球界よりもかなりましだったと思う。
今の大相撲人気は、八百長事件の浄化があって初めてもたらされたものだ。

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野球賭博に関与した人間が3人以外にもいることが間違いなかったのに、そこに手を付けずに幕引きを図るのは、考えられない。
ここに及んで、選手の人権やプライバシーに言及する人がいるのは、ちょっと驚きである。

彼らが野球賭博や不法な賭博行為に関与していたとすれば、そしてその背景に何らかの犯罪集団がいる可能性があるとすれば、それを究明すること以上に優先されることはないと思う。
NPBが一時的に混乱に陥ろうとも、社会的信頼を失おうとも、将来に禍根を残すことを考えればそのコストは安い。
人気があって、スタイタスが高いうちに浄化をしなければ、致命的な事態に陥りかねない。

1970年の「黒い霧」は、パ・リーグの業界再編につながった。その過程で多くの人が球界を追われ、信用も失墜したが、この事件で改革がなされなければ、おそらく今頃パ・リーグはなくなり、野球はマイナースポーツになっていたと思われる。

警察が捜査を開始しているという情報はない。その一点に期待したいが、NPBとしてもおざなりな対応をやめて、血を流す覚悟で改革をすべきである。

そうしないと、近い将来、この事件はさらに深刻な様相を帯びて再度噴出してくるはずだ。


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