プレミア12の決勝戦の中継はないようだ。地上波では、明日の3位決定戦が、最後の放送になる。
今後の放送予定。

決勝戦は、結果を知ったうえで日曜日の昼下がりからでものんびり見てください。ということだ。
J-Sportsはスポーツ専門チャンネルだから、本当に好きな人が見る。その需給関係は成立しているのだろうけども。
日本戦だと信じて疑わず、高いチケットを買ったお客は、韓国対アメリカかメキシコでも、見に行くのだろうか。ぜひ、行ってほしいが。
侍ジャパンは明日、今日の敗者、アメリカかメキシコと対戦することになるが、気の抜けたビールのようなもので、盛り上がることはないだろう。
NHKならば、どんなカードになろうとも、BSも使って最後まできっちり放送しただろうが、民放ではそれは無理な話だ。
視聴率が取れない、スポンサーがつかないとなれば、貴重な時間を、よその国の、誰も知らない選手同士の試合のために割くわけにはいかない。
野球だけでなく、すべてのスポーツ、というより音楽やアートも含めて、あらゆるコンテンツは「中身」ではなく「話題性」「アピールポイント」の強弱だけで選択されるのだ。
スポーツ紙の変わり身も早かった。大阪では、一面をプレミア12から、阪神、故中村勝広GMの葬儀に切り替えたものがあった。プレミア12は裏一面、大谷翔平の颯爽たる雄姿をでかでかと掲げて、あたかも日本が勝ったかのような印象を与えている。
今のメディアは、真面目に何かを伝える気は毛頭ないのだ。
いつも人が振り向いてくれそうな、簡単に感動できそうな、お手軽で、予備知識がなくてもわかるコンテンツを発信しようとしている。
そこには、コンテンツホルダーへの敬意も、視聴者への責任感もない。
あるのは「マーケティング」だけである。
それは動かしようがない。
我々「野球の民」にできるのは、メディアには常に批判的なまなざしを向け、彼らが発信する情報の「真贋」を吟味しつつ、自分たちの意見を言うことだと思う。
マスメディアをありがたがっていては、本当のことは見えてこない。
「プレミア12」は、MLB選手が出場しないという致命的な欠陥があったが、そのために見えてきたものもあった。
それは、MLB選手を除けば、各国の野球のレベルにはそれほど差がない、ことがわかったことだ。
最もレベルが高く、士気も充実していたはずの日本は、寄せ集めの中南米のチームに何度も負けそうになった。その挙句、前日早朝にエコノミークラスの飛行機で日本にやってきた韓国チームに敗れ去ったのだ(日本はもちろんビジネスクラス)。
最後まで出場が決まらなかったメキシコは、最弱かと思われたがなんと、今日の段階まで残っている。今日、アメリカと準決勝である。
プレミア12に出ている選手の素材、能力的には、日本も韓国も中南米もそれほど差はないのだ。差がつくのは、チームとしてどれだけ準備をしたか、どれだけ情報を集めたか、それを活かしたかという部分だ。
そういう完成度が高い日本は、その差で勝ち星を重ねてきた。
しかし戦い進むうちに他のチームも錬度が上がってくる。高いテンションを維持してきた日本は、次第に疲弊した。士気も落ちてきた。
大谷翔平という正真正銘の偉材、MLB級の選手を除くと、日韓はほぼ互角だったのだ。
そのことがわかったのが、大きな収穫ではないか。NPBは、まだMLBに次ぐ存在ではなく、その他大勢の一人だった。
セリグ氏が退任してから、MLBは国際大会にやる気を失ったようだが、「世界の中での自国の力量」を把握するためにも、世界戦は重要だ。
NPB、MLBともに新しい世界戦略を、構築していくべきだと思う。

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!
↓
2012~14年山内壮馬、全登板成績【初の2ケタ勝利も、3年後はドラゴンズを去る】
発売しました!
テレビ放映についてケチをつけるのはおかしいでしょう。
決勝のチケットを買った人は決勝を見に行って日本よりレベルの高い「世界」の野球を学ぶべきです。
ま、「世界」とは言えないレベルかも知れませんけど、
マスコミに「世界」と煽られてそれを信じた人がチケットを買ったわけですから。