引き続き、コメントを紹介する。求められるヒーロー像に言及した意見。
一つだけ説明をしておきたい。
野球、とりわけNPBが、相対的に人気が低下し、いくつかあるプロスポーツの中で、サッカーやバスケなどと横並びになって共存するイメージを描いておられる方が結構いるが、現代社会ではこういう状態を維持するのは非常に難しい。

マーケティング的に言えば、ビジネスとはシェアの奪い合いである。より大きなシェアを奪ったものが、二番目、三番目のコンペティターに対して圧倒的な優位にたつ。ドミナント的に優位になる。追随者は早晩消滅してしまうのだ。
もちろん、スポーツのような嗜好性が高いジャンルでは、単純なシェアの奪い合いが起こるわけではないが、NPBが他のプロスポーツの後塵を拝するようになれば、ビジネス環境は激変する。スポンサードはより厳しくなり、ライセンスビジネスも難しくなる。経済規模が小さくなって、高額の年俸を維持できなくなれば、人材の獲得も難しくなる。今のNPBは維持できなくなるだろう。

ビジネスの世界では「撤退」は「攻勢」よりもはるかに難しいと言われるが、ダウンサイジングして、適正化を図るのは至難の業だと言ってよい。
トップランナーが2位になることは、単に順位が1つ下がることではなく、メジャーがマイナーに堕ちることだ。このことをご理解いただきたい。

MLBが必死でビジネスを立て直し、機構を中心として国際化やマーケティングの強化に取り組んでいるのは、マイナー化を何としても回避したいからだ。
だから競合するNFLやNBAとのシェアの奪い合いを避けて、違うフィールドで勝負しようとしている。
そういう変革なくして、NPBの未来は開けない。NPBには成長戦略を描く以外に未来はない。もちろん「成長」の意味は「量的」なものでなく「質的」なものも含むし、マーケットの転換なども含まれるのだが。


国際性と濃い個性
divot

主観になりますが、国際的な場で活躍することと個性的であることの二つを満たしていることが、ヒーローの必須条件ではないかと考える次第です。
グローバル化が進む中で、かつてのようなドメスティックなヒーローは、もはや成立しないのではないでしょうか。
これを野球に当てはめてみると、残念ながら悲観的な状況と言わざるをえません。
MLBで活躍するどころかレギュラーすらおぼつかない選手が大半を締め、日本人選手が先細りしている傾向が顕著になってきているのはご存知の通り。
個性にも通ずる話ですが、そもそもリスクを冒してMLBに挑戦するような選手が現れなくなってきました。
その個性に関しても、例えば、ひと昔前であれば、物まねをされるような個性的なフォームのプロ野球選手が一杯いましたが、最近は滅多にお目にかかれなくなってしまいました。
テレビ中継の影響もあるかとは思いますが、コーチングやトレーニングの発達が選手の均質化、ひいては没個性化を招いている可能性もあるのではないでしょうか。
広尾さまは、事あるごとにNPBの保守的な体質を批判なさっておられますが、同様に選手達も保守化しているのかもしれません。
「出る杭は打たれる」なんて言葉あるぐらい、突出した個性を異端視する日本社会なのに、彼らが日本を飛び出して海外で活躍した途端にヒーロー扱いをするんだから、なんとも不思議な話ではあります。
そういった意味でも、ヒーローって反逆者でもあるんですよね(笑)

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ヒーロー観の違いがあるのでは?
TUCK

私も小学生のころ、野球というか野球ごっこに夢中になってました。体も小さくて喘息もち、野球もぜんぜん上達しませんでしたが、いま考えると不思議なくらい放課後は野球でした。場所は校庭や家の近くの空き地を探しては集まったものです。
そういう野球ごっこをヒーローの模倣という広尾さんの解釈で思考を進めていくと、過去と現在のヒーローの違いがあるのかなと思い当たりました。
ヒーローはメディアが作り出すという側面があります。テレビが暮らしの中で大きな媒体だった時代は、みんなが憧れる大きなヒーローが生まれやすかったのではないでしょうか。

いまはメディアとしてのテレビの衰退、つまり情報を受け身でとらえる時代から情報を自分から探しに行く時代になり、ヒーロー像も変わってきたと思います。大きな共通のヒーローから、それぞれが応援するヒーローの多様化。
確かに野球の裾野は一時期より狭くはなってきているとは思いますが、夢中になる子どもたちも決して少なくはない状況ではと考えています。少子化という要素もあり、今後は野球の裾野は広がらないと思いますので、野球の繁栄ということで考えると、熱狂的な野球ファンをいかに育てていくかということが肝なのではないでしょうか。
広がりよりも密度の濃さ、です。

メディアへの露出減が大きい
よこっち

やはりテレビなどメディアへの露出が減ったのが原因ではないでしょうか?
昨今テレビを見なくなった、視聴率が軒並み低迷しているとは言ってもやはり地上波で露出するのは影響が大きいと思いますし、学校でも話題に上りやすいと思います。
現在ドラマなど視聴率が低迷しているのであれば、それを逆手にNPBがスポンサーを請け負う形で月曜日(週1日)まるごと買い上げて放送するというのもありなのではないかと思います。
NFLのマンデーナイトゲームのような形で。
ただし、以前行われたマンデーパリーグのような形だと分散してしまうので1試合のみにしたほうがいいと思います。
可能ならNHK、もしくはEテレがいいと思いますが、毎週放送局を変えていけばまんべんなく民放も取り上げてくれると思います。
少なくとも毎週1日はテレビ放映されれば、認知されて人気が出る選手も増えてくるのではないかと思います。

求められるヒーロー像のハードルが高くなった
Gファンですが

野球選手のヒーロー像は野茂以降でさらにハードルが高くなったのでないでしょうか。
それ以前の川上、大下、長嶋、王は一人で試合の流れを作れる存在であったと思います。野茂以降は流れを作れる存在にプラスして世界と渡りあえなければならなくなった。イチロー、松井はその要件を満たせたのでヒーロー足りえたのでは。
バット一本、腕一本で世界と渡りあえる存在が野球選手としてのヒーロー像になったと理解します。
野球のユニホームを指して戦闘服といった方がいましたが、NPB選手のそれをみるとビジネススーツに見えてしまいます。


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