実にたくさんの有意義な意見をいただいた。改めて御礼申し上げる。来週は、アマチュア野球の指導について問いかけを行う。こういう形で、ウィークデーに議論したい。
2016年、野球は繁栄しているのか |野球があぶない!
ヒーローがいなくなった 2016年、野球は繁栄しているのか |野球があぶない!
私は高知新聞のコラムから、少年野球人口の急減を知り、野球の競技人口の先細りが不可避であると認識した。
今回のコメントで、少年野球は、高校野球へとつながるメインの競技人口の人材源ではなく、周辺の野球ファンの“水源”ではないか、という指摘があった。
これは非常に示唆に富む。
高知の少年野球、そして中体連のデータに現れている「軟式野球部員の減少」は、競技人口の減少にもつながるだろうが、野球ファンの減少にもつながっていく。どちらかと言えば、後者の方が大きいのではないか。
リトルリーグやボーイズなど、中学生以下で硬球を握るエリート球児たちは今後増加しないにしても、一定のボリュームは確保されるのではないか、という説だ。
高知県にはリトルリーグ、ボーイズの存在は確認できない。
野球の衰勢を知るためには、全国的な「エリート少年野球人口」がどうなっているのかは、調査する必要があろう。
同時に、野球用具(硬式、軟式)の販売動向、運動具店の店舗数なども調べる必要があると思う。
ただ非エリートの「少年野球人口」が減少しているのは確実だ。少なくとも将来的な野球ファンの減少は不可避のように思える。
さらに子供の「好きなスポーツ」アンケートで野球の順位が低下していることは、少年野球のさらに外側にいる「野球ごっこ」をする人口が減少していることを示唆していると思われる。
「野球ごっこ」が衰退した理由について、多くがスペースの減少、「ごっこ」には不向きな競技としての特性を指摘した。
それは事実だが、昔はそうした不利な条件があったにも関わらず、子供たちはどこでも野球ごっこに興じた。そうした「熱」が消え去ったために「野球ごっこ」の不利が目立つようになったのだろう。
小学校では「ベースボール型球技」が導入されているが、今一つ人気がない。これも「熱」がなくなったことと関連があるだろう。
コメントで注目したのは「野球ゲーム」の衰退だ。この種のゲームの種類、数、遊戯人口の推移などを調べる必要があると思った。
子どもたちから、「野球ゲーム」も含めて、文化としての「野球」が、消滅しつつあるとすれば、それこそが最も深刻な事態ではないかと思う。
これまで野球の存在があまりにも大きすぎた。これからはサッカーやバスケットボールなどとともに、ワンノブゼムとして存続し続けるのではないか、という意見もあった。
すでに述べた通り、ダウンサイジングは至難の業だ。
特に、高額の年俸を払うことができなくなれば、スポーツとしてのステイタスは急落する。NPBが年俸の情報を盛んに発信しているのは、巨額の年俸が、プロ野球のステイタスを象徴していたからなのだ。
NPBから1億円プレイヤーが消えてしまえば、人は振り向かなくなるだろう。
■今後のテーマ
来週は、高校野球などのアマチュア野球の体質の問題について、ともに考えたい。
スパルタ式の指導、多くのベンチウォーマーを生む選手起用の是非、さらにはそうした体質が改善されているのかどうか、読者に聞きたい。
今後は、サッカーと野球の違い、組織としての野球の問題(閉鎖的、派閥を作る、自己適など)についても考えていく。
本日いただいたコメントをさらに2つ紹介する。
「かっこいい」ことは重要
ガラテ
ルックスも大事というコメントを見て思ったのですが、サッカーはJリーグが誕生した当初から三浦カズとか北澤、武田などルックスが良くお洒落な選手が多かったのも、最初にニワカファンを獲得していった要素にはなってたのではないでしょうか
野球と比較してお洒落なかっこいいイメージはやっぱりありましたよ
プロ野球もかっこいい選手は多いと思うのですが、ただ、各々が始める上では、まず、中高生時にいまだに坊主頭にしなくてはいけない学校は多いですよね
ヒーローに憧れる、ヒーローになりたい願望というのは、勿論強さを求めてることもありますが、かっこよさを求めてる部分もあるとは思います
自分がかっこいいヒーローになりたい、その時に、果たして坊主はかっこいいのか
自分も坊主にするのは実はいやでした
Jリーグのスタンドの方が若い
hatadon
自分も10代以下の野球離れを非常に危惧しています。
自分はプロ野球もJリーグも好きでどちらも観に行きますが、Jリーグのスタンドはプロ野球のそれと比べて、遥かに10代以下の観客が多いです。
彼らが大人になり子供を育てるようになったら、自分達や自分の親の世代がプロ野球に対してそうだったように、当然子供達を連れてサッカー観戦に行くでしょう。
家の中でも、スポーツの話題はサッカーが中心になるはずです。
子供は親や友達との話題の中から興味を示すことが多いと思いますので、そうなるとますます子供達の野球離れが進んでしまいます。
とにかく何とかして子供達を野球場に呼び込む努力、子供達が野球に触れる機会をたくさん作っていかないと手遅れになってしまいます。
ひょっとすると、もう手遅れなのかも知れませんが。
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その1 |野球があぶない!
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その2 |野球があぶない!
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その3 |野球があぶない!
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その4 |野球があぶない!
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その5 |野球があぶない!
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その6 |野球があぶない!
ヒーロー不在、読者の意見 その1|野球があぶない!
ヒーロー不在、読者の意見 その2|野球があぶない!
ヒーロー不在、読者の意見 その3|野球があぶない!
ヒーロー不在、読者の意見 その4|野球があぶない!
ヒーロー不在、読者の意見 その5|野球があぶない!
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ヒーローがいなくなった 2016年、野球は繁栄しているのか |野球があぶない!
私は高知新聞のコラムから、少年野球人口の急減を知り、野球の競技人口の先細りが不可避であると認識した。
今回のコメントで、少年野球は、高校野球へとつながるメインの競技人口の人材源ではなく、周辺の野球ファンの“水源”ではないか、という指摘があった。
これは非常に示唆に富む。
高知の少年野球、そして中体連のデータに現れている「軟式野球部員の減少」は、競技人口の減少にもつながるだろうが、野球ファンの減少にもつながっていく。どちらかと言えば、後者の方が大きいのではないか。
リトルリーグやボーイズなど、中学生以下で硬球を握るエリート球児たちは今後増加しないにしても、一定のボリュームは確保されるのではないか、という説だ。
高知県にはリトルリーグ、ボーイズの存在は確認できない。
野球の衰勢を知るためには、全国的な「エリート少年野球人口」がどうなっているのかは、調査する必要があろう。
同時に、野球用具(硬式、軟式)の販売動向、運動具店の店舗数なども調べる必要があると思う。
ただ非エリートの「少年野球人口」が減少しているのは確実だ。少なくとも将来的な野球ファンの減少は不可避のように思える。
さらに子供の「好きなスポーツ」アンケートで野球の順位が低下していることは、少年野球のさらに外側にいる「野球ごっこ」をする人口が減少していることを示唆していると思われる。
「野球ごっこ」が衰退した理由について、多くがスペースの減少、「ごっこ」には不向きな競技としての特性を指摘した。
それは事実だが、昔はそうした不利な条件があったにも関わらず、子供たちはどこでも野球ごっこに興じた。そうした「熱」が消え去ったために「野球ごっこ」の不利が目立つようになったのだろう。
小学校では「ベースボール型球技」が導入されているが、今一つ人気がない。これも「熱」がなくなったことと関連があるだろう。
コメントで注目したのは「野球ゲーム」の衰退だ。この種のゲームの種類、数、遊戯人口の推移などを調べる必要があると思った。
子どもたちから、「野球ゲーム」も含めて、文化としての「野球」が、消滅しつつあるとすれば、それこそが最も深刻な事態ではないかと思う。
これまで野球の存在があまりにも大きすぎた。これからはサッカーやバスケットボールなどとともに、ワンノブゼムとして存続し続けるのではないか、という意見もあった。
すでに述べた通り、ダウンサイジングは至難の業だ。
特に、高額の年俸を払うことができなくなれば、スポーツとしてのステイタスは急落する。NPBが年俸の情報を盛んに発信しているのは、巨額の年俸が、プロ野球のステイタスを象徴していたからなのだ。
NPBから1億円プレイヤーが消えてしまえば、人は振り向かなくなるだろう。
■今後のテーマ
来週は、高校野球などのアマチュア野球の体質の問題について、ともに考えたい。
スパルタ式の指導、多くのベンチウォーマーを生む選手起用の是非、さらにはそうした体質が改善されているのかどうか、読者に聞きたい。
今後は、サッカーと野球の違い、組織としての野球の問題(閉鎖的、派閥を作る、自己適など)についても考えていく。
本日いただいたコメントをさらに2つ紹介する。
「かっこいい」ことは重要
ガラテ
ルックスも大事というコメントを見て思ったのですが、サッカーはJリーグが誕生した当初から三浦カズとか北澤、武田などルックスが良くお洒落な選手が多かったのも、最初にニワカファンを獲得していった要素にはなってたのではないでしょうか
野球と比較してお洒落なかっこいいイメージはやっぱりありましたよ
プロ野球もかっこいい選手は多いと思うのですが、ただ、各々が始める上では、まず、中高生時にいまだに坊主頭にしなくてはいけない学校は多いですよね
ヒーローに憧れる、ヒーローになりたい願望というのは、勿論強さを求めてることもありますが、かっこよさを求めてる部分もあるとは思います
自分がかっこいいヒーローになりたい、その時に、果たして坊主はかっこいいのか
自分も坊主にするのは実はいやでした
Jリーグのスタンドの方が若い
hatadon
自分も10代以下の野球離れを非常に危惧しています。
自分はプロ野球もJリーグも好きでどちらも観に行きますが、Jリーグのスタンドはプロ野球のそれと比べて、遥かに10代以下の観客が多いです。
彼らが大人になり子供を育てるようになったら、自分達や自分の親の世代がプロ野球に対してそうだったように、当然子供達を連れてサッカー観戦に行くでしょう。
家の中でも、スポーツの話題はサッカーが中心になるはずです。
子供は親や友達との話題の中から興味を示すことが多いと思いますので、そうなるとますます子供達の野球離れが進んでしまいます。
とにかく何とかして子供達を野球場に呼び込む努力、子供達が野球に触れる機会をたくさん作っていかないと手遅れになってしまいます。
ひょっとすると、もう手遅れなのかも知れませんが。
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その1 |野球があぶない!
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その2 |野球があぶない!
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その3 |野球があぶない!
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その4 |野球があぶない!
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その5 |野球があぶない!
2016年、野球は繁栄しているのか 読者の意見その6 |野球があぶない!
ヒーロー不在、読者の意見 その1|野球があぶない!
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特にプロの各球団は本当によくやっていると思いますよ。
決して危なくなんかありません。
でも、野球だけが繁栄してるわけじゃないんですよね。
現在の日本では様々なスポーツが繁栄し、あるいは繁栄しつつあるわけです。
日本も少しずつですが豊かなスポーツ文化を育めるようになってきたと感じます。
そしてその中に野球も当然含まれるわけです。
にも関わらず、テレビを見ていると相変わらず野球だけが繁栄しているかのようなごり押し報道を続けています。
いや、自分たちが所有する野球だけが繁栄して欲しいというマスコミの願望が報道にあらわれていると言うべきかも知れません。
毎年この時期に大量に流される、試合と全く関係のない野球報道などはその典型例と言えます。
このような質より量を垂れ流す野球報道は、スポーツ全体のみならず健全でコアな野球ファンの養成という点で大きなマイナスになっていると考えます。
今後求められるのは、唯一絶対の存在からいくつかの選択肢のうちの一つとして定着させていくことだと思います。
アメリカにおける野球のように。
その意味では、まず変わっていくべきはメディアであると考えます。
メディアの野球報道が健全化していけば、ファンの質も向上しひいては大衆の野球を見る目も鋭く的確なものになり、より豊かな野球文化が醸成されていくと思います。