素晴らしい反響をいただいた。また週末に野球漫画を取り上げる。何にしようか迷っているが、やはりしばらくはエポックメイキングな漫画になると思う。
hatadon

沈着冷静で野球センスの塊のようなイガラシが大好きでした。
逆に激昂直情型の丸井はあまり好きではなかったですね。
ライバル青葉学院の監督(アニメ版では声が森山周一郎でとてもシブかった)が、勝つためには手段を選ばないものの、試合前の隅谷二中ナインに食べ過ぎを注意するなど、この作品の中では数少ない大人なキャラクターとして描かれていたのが印象に残っています。

アナリスト

愛読者の一人として思い出した話を一つ。
あの再試合では、青葉学院の監督がイガラシや谷口を疲弊させるために、「ファール打ち」を指示するシーンがありました。
結果、墨谷二中の観客席のみならす、青葉学院の観客席からもヤジが飛んでしまい、打者の中野が耐えられずに打ちに行きダブルプレー、という場面です。
この監督は、「本当の満足感は勝った者が得られる」ということを説教して、さらに佐野には敬遠の指令を出しました。
でも最後は、勝負出来ないのは悔しい、勝負したいという佐野の気持ちを汲み勝負させて、谷口にサヨナラヒットを打たれる。
でも最後は両軍スタンドから盛大な拍手が起きた。
その影響からか私は、過度な敬遠やカット打法には原則反対しています。
そのくだりは、1992年の甲子園での明徳義塾での松井秀喜を5打席連続敬遠の時、2013年の甲子園で花巻東の千葉がカット打法を使ったときに思い出し、ちばあきお氏が没後に高校野球で起きたことに驚きました。
ちなみに谷口が進んだ墨谷高校は、東京都立墨田川高校をモデルにしているとのこと。
そう、あの王貞治が高校受験であと1点足りずに不合格だった墨田川高校です。

CHARADE

アナリストさん、
私もあのシーンはとても印象に残っています。当初はヒールとして登場したかに見えた青葉の部長ですが、とても好きなキャラクターの一人です。最初は満塁で谷口を敬遠するように指示しますが、最後は「勝負して来い! お前たちのあらん限りの力で勝利をかちとって来い!」と言い、言われた佐野は最高のタマを投げる。
残念ながら谷口に打たれ、試合は負けてしまいますが、部長は怒らず、「あれを打たれたんじゃ仕方がない。勝者に拍手してやらんか」と優しく言うじゃないですか。いい人なんだなあと思います。

IMG_9372


G3

>イチローは、子供たちに「出された宿題をきっちりとやってください」とアドバイスしたことがある。まさに「やるべきことをきちっとやる」ことの重要性を説いたのだ。
キャプテンそのものからは話がずれますが、これはイチローのこのアドバイスは名言中の名言ですね。もしかすると、子どもの心には響かなかったかも知れませんが、大人になるときっと理解できるはず。
松井秀喜は「努力できることが才能」と言いましたが、プロ野球というエリート中のエリートの世界で傑出した成果を残した人が同じような言葉を発している。この系譜は遡れば王貞治にも通じるはずです。
キャプテンは小学校の道徳の教科書にすべきですね。真面目に。

カナブン

野球の描写では魔球や必殺技を登場させないのがマンガ表現の進歩と現実らしさを感じさせる部分でしたね。まあ、あまり地味な描写ばかりだと読者の食いつきが悪くなってしまうので、軟式野球にしては派手な試合展開が多いし、平凡な公立中学野球部をすぐに全国優勝を目指す強豪チームに変身させています。
作者の持ち味はアクションシーンよりも人間心理や人間関係の丁寧で地道な描写で、それが作品の現実らしさを大きく押し上げています。これは兄のちばてつやの影響が大きいんでしょうね。

kassy

谷口、丸井、イガラシ、近藤と見事に4人を書き分けていますね。そして、そのつながりがスムーズに続いていく。
私は谷口と近藤時代が好きです。

アナリスト

あの近藤というキャラクターはインパクトありました。駒大苫小牧の田中将大の高校2年時に初めて見た時、すぐにキャプテンに出てくる近藤を思い出しました。
この野球漫画の愛読者であったわけですが、この内容を思い返した時、最近の某アイドルタレントが頻繁に口をする「努力は必ず報われる」を思い出します。
一番の主人公、谷口が強豪校の二軍控えから、転校して凄まじい練習をして4番サードになるというのは、日本人が昔から好きな、努力して無理だと思った目標を達成するというサクセスストーリーそのもの。
でも本質は違うところにあると思います。
イチローのルーチンワークではないですが、あの谷口の猛特訓も、毎日の反復練習なわけで、積み重ねの大切さ、継続は力なりということですね。
超一流大学に合格、卒業した人は必ずといっていいほど、毎日の勉強は程よい時間で、かつ反復の積み重ねだというのは、私が見てきた人を見れば共通していたのと同じです。
もう、本当に大好きな作品です。雑誌連載時から夢中で読んでいましたし、つい最近も全巻読み返したばかりです。第一番に採りあげていただいて嬉しいです。

CHARADE

広尾さんの感想にほぼ同意同感しますが、チョットだけ……
> 墨谷二中の4代のキャプテンは、このギャップを埋めるために、猛練習をする。
近藤は必ずしもそうではなかったですよね。
> また代々のキャプテンは、シビアにレギュラーを選別する。ふるい落とされた選手たちは、早々に野球部を去る。このことも肯定的に描かれている。
イガラシがそうした時、弟が反感の意を表します。また近藤はこのようなやり方を嫌い、牧野から「それでは間に合わない」と怒鳴られても、「人間の能力はそんなに簡単にはわからない」と言い返しています。
作者自身は、どちらかの考え方を肯定しているのではない、と自分は受け取っています。
イガラシキャプテンのもと、全国優勝したところで物語が幕を閉じるのではなく、近藤の代まで描いたところがこの作品の肝ではないでしょうか。

CHARADE

イガラシの項で「夏は、エース近藤を中心として充実した戦力を擁して、青葉学院を下して全国大会に出場、悲願の全国優勝を果たす」とありますが、この年(準決勝で)青葉を下したのは井口擁する江田川です。この江田川を決勝で破って全国大会出場を決めています。
→修正しました。
この作品は、タイトルの通り、性格も能力も違うキャプテンたちを描くのが主眼であり、それが見事に結実していると思います。
この5人の中では丸井が一番好きです。欠点も多いのですが、キャプテンとしては欠点だらけなのですが、墨二を愛する気持ちは誰にも負けず、その愛校心の強さには、後輩たちは正直なところ「ウザイ」と思っていたと思いますが、とても可愛く感じてしまうのです。
丸井は、イガラシのことをある意味では嫌っていたと思うのですが、「オレッチなんか、あいつがいたために、一度も四番を打てなかった」と呟いたり、スタンドから、「イガラシもよく我慢して近藤を使うぜ……あれができれば、オレも全国優勝できてたのかな」と言ったり、いいものをいいと認める力はあるのです。「いい奴」なんですよ。
ちなみに、近藤は体力的な意味での素質は恵まれているでしょうが、あの頭ではプロ入りは難しいのではないでしょうか。イガラシの欠点は身体が小さいことだけなので、高校・大学で体力強化が図られれば、プロの可能性もあると思います。ただ、この漫画の登場人物で、一番プロに近いのは、イガラシのライバル(?)、江田川高校の井口だと思います。


私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!

宮川孝雄、全本塁打一覧|本塁打大全
宮川孝雄、チーム別&投手別&球場別本塁打数|本塁打大全


発売しました!