アメリカ、テキサス州在住のtoyotimiさんから、アメリカの高校野球事情についてのメールをいただいた。
意見ではなくアメリカの高校野球事情について少し。

高校は義務教育で、住む地域でどこの公立高校へ通うかが決まります。高校野球は他のスポーツ同様シーズンスポーツで、早春から晩春にかけて行われます。近隣の学校同士でリーグ戦を行い、最後に州チャンピオンを目指してトーナメントを戦います。公平を期すため生徒総数によって5つのレベルに分けられ、基本的に同規模の学校のチーム同士で試合が行われ、それぞれに州チャンピオンが誕生します。

各校それぞれ、代表チーム(Varsity)、準代表(Junior Varsity)、新人(Freshman)の3チームを持つのが普通で、それぞれに対外試合をします。野球部への入部には早春のトライアウト通過が必要で、基本は新人に優しく高学年になるほど狭き門になります。野球部の規模は40~60人が一般的で、落ちた子は学校以外で野球する道を探すことになります。また野球部員であっても、学業成績が伴わないと練習にも試合にも参加できません。

プロを目指すような子は、高校のトーナメントが終わった後、選りすぐりの選手だけを集めたクラブチームへ入り、プロのスカウトや大学一部リーグのコーチらが集まる「ショーケース」と呼ばれる夏の大会で活躍し、ドラフト指名か奨学金を得ることを目指します。高校チームでの活躍は私立の野球名門校でもなければさほど重視はされず、よほどの評判が無ければスカウトも見に来ません。

日本の甲子園に相当するものは、NCAA College World Seriesと呼ばれる大学選手権です。短大の野球部で実績を積んでから一部リーグの大学へ編入という、「出遅れ、晩成組」が芽を出すケースも見られます。

日本ほど高校では無理をしない印象ですが、近年のエリート野球熱の高まりでトミージョン手術適用の若年化が進行していて、社会問題になりつつある気がします。


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toyotimiさんもご存じだったが、以前私はこの本を紹介した。



新聞記者の筆者がアメリカに転勤し、我が子を少年野球に入れる物語。2014年のベストだと思った本だ。

アメリカと日本、野球を取り巻く環境はこんなに違う|野球の本棚

アメリカと日本の野球の最大の違いは「試合数」だろう。
アメリカでは少年野球から高校野球、大学野球まで、実に多くの公式戦が組まれる。
NCAAの大学ともなれば、春の野球シーズンだけで35試合、1年では70試合。これが約100日間の間に組まれる。さらにトーナメントやポストシーズンなどもある。
東京六大学が、最大で年間30試合しかないのとは対照的だ。

試合数が多いからロースターに登録される選手も多くなる。出場機会も増える。投手のローテーションや分業も進む。

1人のエースと10人そこそこの野手でまわす日本の学生野球とは大きく事情が異なる。
そして力量に合わせて、1つの学校が複数のチームを持つのも異なっている。
プロ野球と同じように、1軍、2軍、3軍があるのだ。
もちろん、技量のある選手は昇格することもできる。

日本のように年がら年中練習をするだけで、試合には出ない選手はいないのだ。

そのうえでアメリカの野球選手は、野球以外のスポーツもするのだ。

これも、以前に触れたが、アメリカでは「複数のスポーツ」をたしなむことが奨励される。

二つのスポーツをやりなさい! 上|野球史

二つのスポーツをやりなさい! 下|野球史


視野が広がるし、自分で物事を判断する力もつくだろう。

野球部の指導者にマインドコントロールされるような日本のやり方よりも、あきらかに健全だ。

日本とアメリカは土壌が違うと思われるかもしれないが、今、日本の「部活」は、学習指導要領に組み込まれて改革が進んでいる最中だ。
より良い方向へ進むことは決して不可能ではないと思う。

1966年榎本喜八、全試合一覧

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