これは選手の資質の問題に加えて、MLBが、KBOとNPBをどのように見ているかを象徴的に表していると思う。
11月にソフトバンクをフリー・エージェントになった李大浩は、MLB入りを目指して渡米し、代理人を通して交渉を行ってきたが、キャンプ直前の現時点でまだ交渉がまとまっていない。
李大浩はKBO時代は最強の打者だった。
キャリアSTATS

首位打者3度、本塁打王2度、打点王1度、2010年には三冠王に輝いている。
2009年のWBCでは、金泰均とともにクリーンアップを組み、日本を苦しめた。
翌年、金泰均が日本のロッテに移籍、2年遅れて李大浩が、オリックスに移籍した。
以来4年、李大浩は打点王1度、3割2度、安定した成績を残した。
KBOの打者でNPBに移籍した打者の記録。白仁天を除く。

韓国のイチローと呼ばれた李鍾範(イチローより年上だったが)、王貞治を抜く56本塁打を打った李承燁など、KBOのトップ選手がNPBに挑戦したが、李承燁、金泰均のように、1,2年活躍した選手はいたものの、安定して好成績を上げた選手はこれまでいなかった。
李大浩は、KBOとNPBで成功した最初の打者と言ってよい。

李承燁は当初、MLBへの移籍を考えていた。しかしマイナー契約のオファーしかなく、NPBに移籍した。ここで活躍してMLBに移籍しようとした。2006年時点では、イチロー、松井秀喜をはじめ、日本人MLB野手が活躍していたから、NPBはMLB行きのステップになると思われたのだ。結局、NPBで安定した成績を残せなかったためそれはかなわなかった。
KBOからNPBに移籍する選手がすべてMLB移籍を視野に入れていたわけではない。多くは、KBOの数倍になるNPBの高い年俸にひかれての移籍だ。しかし活躍すれば、当然次のステップとしてMLBも考えていたはずだ。
李大浩はまさにその最初の一人になるはずだった。しかしそれは叶わない可能性が高くなった。
李大浩が194cm130kgと野球選手としては破格の体格であること。今年、34歳と高齢なこともネックになったはずだ。
しかし、NPBでの4年間の実績が、MLB移籍を模索するにあたって大きな助けにならなかったのも大きい。
対照的に、KBOの2人の強打者がMLBとメジャー契約を果たした。
斗山の金賢洙はオリオールズへ、ネクセンの朴炳鎬はツインズへ。ともに、長打が売り。
これは、昨年、KBOから初めてメジャー契約でパイレーツに移籍した姜正浩の活躍が大きいと思われる。
昨年の日韓のMLB打者の成績。

NPBの野手は青木宣親を除いて補助戦力にしかなっていない。3人ともに長打が全く期待できない。
しかしKBOの野手は長打がある。
姜正浩の活躍で、KBOの実績は信頼できると踏んだMLB側が次々とKBOの強打者と契約を結んだのだ。
NPBで30本を打った松田宣浩に芳しいオファーがなかったことも含めて、「時価」でいえば、NPBの打者はKBOの打者よりも下だと評価されているということだろう。
ありていに言えばMLB関係者は「NPBは投手だけ」と踏んでいるのだと思う。柳田悠岐、山田哲人などがMLBに移籍できないとすれば、それは悲劇だろう。
NPBは、野手の育成、とりわけ「打撃」について見直すべき時に来ているのではないか。
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李大浩はKBO時代は最強の打者だった。
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2009年のWBCでは、金泰均とともにクリーンアップを組み、日本を苦しめた。
翌年、金泰均が日本のロッテに移籍、2年遅れて李大浩が、オリックスに移籍した。
以来4年、李大浩は打点王1度、3割2度、安定した成績を残した。
KBOの打者でNPBに移籍した打者の記録。白仁天を除く。

韓国のイチローと呼ばれた李鍾範(イチローより年上だったが)、王貞治を抜く56本塁打を打った李承燁など、KBOのトップ選手がNPBに挑戦したが、李承燁、金泰均のように、1,2年活躍した選手はいたものの、安定して好成績を上げた選手はこれまでいなかった。
李大浩は、KBOとNPBで成功した最初の打者と言ってよい。

李承燁は当初、MLBへの移籍を考えていた。しかしマイナー契約のオファーしかなく、NPBに移籍した。ここで活躍してMLBに移籍しようとした。2006年時点では、イチロー、松井秀喜をはじめ、日本人MLB野手が活躍していたから、NPBはMLB行きのステップになると思われたのだ。結局、NPBで安定した成績を残せなかったためそれはかなわなかった。
KBOからNPBに移籍する選手がすべてMLB移籍を視野に入れていたわけではない。多くは、KBOの数倍になるNPBの高い年俸にひかれての移籍だ。しかし活躍すれば、当然次のステップとしてMLBも考えていたはずだ。
李大浩はまさにその最初の一人になるはずだった。しかしそれは叶わない可能性が高くなった。
李大浩が194cm130kgと野球選手としては破格の体格であること。今年、34歳と高齢なこともネックになったはずだ。
しかし、NPBでの4年間の実績が、MLB移籍を模索するにあたって大きな助けにならなかったのも大きい。
対照的に、KBOの2人の強打者がMLBとメジャー契約を果たした。
斗山の金賢洙はオリオールズへ、ネクセンの朴炳鎬はツインズへ。ともに、長打が売り。
これは、昨年、KBOから初めてメジャー契約でパイレーツに移籍した姜正浩の活躍が大きいと思われる。
昨年の日韓のMLB打者の成績。

NPBの野手は青木宣親を除いて補助戦力にしかなっていない。3人ともに長打が全く期待できない。
しかしKBOの野手は長打がある。
姜正浩の活躍で、KBOの実績は信頼できると踏んだMLB側が次々とKBOの強打者と契約を結んだのだ。
NPBで30本を打った松田宣浩に芳しいオファーがなかったことも含めて、「時価」でいえば、NPBの打者はKBOの打者よりも下だと評価されているということだろう。
ありていに言えばMLB関係者は「NPBは投手だけ」と踏んでいるのだと思う。柳田悠岐、山田哲人などがMLBに移籍できないとすれば、それは悲劇だろう。
NPBは、野手の育成、とりわけ「打撃」について見直すべき時に来ているのではないか。
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福岡民としてはこのままホークス残留となれば嬉しくもあり、正直微妙な心境ですね。