16、17巻。大リーグボール2号の謎解きが続く。
清原和博の事件をイメージさせる裏社会との交流のシーンが描かれている。



16巻 決別編

中日からトレードの話があった伴宙太を、星飛雄馬はいつまでも自分の稽古相手のままにしておくわけにはいかないと、鍛えぬく。
花形満は、雪山でボールを芯にした雪玉を打ち抜くことで大リーグボール2号を打とうとする。
左門豊作は海岸に並べたろうそくの火をバットの旋風で消そうとする。
二人の特訓を目の当たりにした(わざわざ見に行ってるんだ!)星一徹は、大リーグボール2号破れたりと看破し、パリにいる川上哲治に電話をし、伴のトレードを再度申し入れる。
少年雑誌の座談会で、星、伴、花形、左門が球場で一堂に会する。ここで大リーグボール2号の話になり、星と左門は球場で対決する。左門は猛烈な勢いでバットを振る。見えないはずのボールがおぼろげに見えるが、伴は左門のバットの前に頭を出して打たれるのを阻止する。
伴は巨人から中日へのトレードを言い渡される。伴は引退すると息巻くが、恋慕の情を寄せる星明子に諭されトレードに応じる。
中日に移籍した伴は星一徹に鍛え抜かれる。
中日、巨人の開幕戦がはじまる。

合宿の寮から出るため荷造りをする伴宙太を、ルームメイトの星飛雄馬が手伝う場面は、6ページにもわたってセリフが一切ない。二人の惜別の念がそくそくと伝わってくる名シーンだ。

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17巻傷魂編

開幕戦、先発の高橋一三が打ち込まれると川上監督はリリーフに星飛雄馬を上げる。中日はすかさず伴宙太を三番の高木守道に替えて起用する。
大リーグボール2号の秘密が明かされていることを知る巨人首脳は、星に大リーグボール1号を投げるよう指示する。しかし伴はバットをふらつかせて本塁にあおむけに倒れて、ことごとくファウルにしてしまう。これは1号対策だけではなく、本塁付近の土を固めることによって2号をも封じる策だった。
ついに飛雄馬は2号を投げる。三塁コーチ星一徹のサインに従いバットを振る。果たして2号は消えなかった。しかし伴は打ちそこなって投飛併殺となる。ボール球だったのだ。
伴は星一徹コーチを責める。一徹は飛雄馬がボール球を投げることを悟っていた。見送らせる予定だった。しかし我が子を叩きつぶす残酷さのあまり、コーチャーズボックスで涙をぬぐったのを伴が「打て」のサインと見誤ったのだ。
阪神戦、花形はホームベース上にヘルメットを落とす奇策で大リーグボール2号を打つが三塁ライナー。
動揺した星は2打席目、高く足を上げることなく大リーグボール2号を投げ、一本足打法の花形に本塁打を打たれる。
試合後、花形は大リーグボール2号の種明かしをする。この球が魔送球であり、本塁あたりで沈み込んで土を巻き上げることは解明されていた。しかしそれだけでは球は消えない。
投球の際に高く足を跳ね上げてグランドの土を舞い上げ、それをボールに絡めることによって、保護色でボールが消えたように見えたのだ。
打たれた飛雄馬は夜の巷を歩いて不良少女、京子と知り合う。同じく大リーグボール2号を打つ機会を得なかった左門も居合わせる。京子はやくざともめ事を起こす。
京子は星に一目ぼれする。そして左門は京子に一目ぼれする。

2号の秘密は荒唐無稽としか言えないが、当時はみんな興奮したものだ。
このあたりからとても少年雑誌とは思えない裏社会とのからみが続く。「黒い霧事件」の真っただ中だ。



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