清原和博の覚せい剤所持の現行犯逮捕は、各方面に多大な影響を与えたが、最も深刻なのは、再建途上あるいは整理途中にあるPL学園野球部だろう。
教団そのものの退潮、学園と教団の対立もあって、PL学園は学園の校地を教団に返却するように迫られている。クラブハウスもなくなった。
野球部員の募集も停止され、今は11人だけが部活をしている。
このような状態に追い込まれたのは、つい最近のことだ。2009年の夏に5年ぶり17回目の甲子園に出場を果たし、吉川大幾が本塁打を打つなどして2回戦まで勝ち進んだ時は、まだまだ強豪の一角だった。
大阪桐蔭や履正社など新興私学の台頭もあったが、まだ「腐っても鯛」と思われていた。
しかしPL学園そのものが経営難に陥り、中学からの内部進学者以外にはほとんど志望者がない状況となる中で、野球部にも縮小の圧力がかかるようになった。
監督は河野有道を最後として、実質的にいなくなり、野球経験のない学校関係者が名目上務めている。
野球部としての生徒募集も停止してしまった。
PL学園は、高校野球が生んだ「最強の学校」だった。通算戦績96勝(2位)30敗、春夏合計7度の全国制覇(2位)、準優勝4回、4強6回。
1956年の創部以来、わずか60年でこの数字を成し遂げた。
しかしながらPL学園は「最悪の学校」だったのかもしれない。普通の入試を経てPLに入った生徒は野球部には入れない。部員はボーイズやシニアなどの硬式野球経験者。そのほとんどが、指導者のあっせんによる。
全員が野球部の寮に入り、24時間厳しい規律の中で生活をする。先輩後輩が同じ部屋で生活し、後輩は先輩の「部屋子」として洗濯、夜食の炊事など身の回りの世話をする。徹底的な上限関係があり、鉄拳制裁も普通に行われた。
鶴岡泰、中村順司という“名将”によって築かれたこの体制は、今から思えば「野球バカ」を最も効率的に生産するシステムだったと言って良いだろう。
その頂点が、桑田、清原だった。
陰湿ないじめや犯罪も頻発。桑田、清原が在籍中には、野球部員が校内で水死する事件も起きている。
しかし朝日新聞以下のメディア、高野連など「利害を共有する」サイドは不祥事を表ざたにはしなかった。「野球バカ」の生産に手を貸していたのだ。
それでも批判の声は高まる。
後進の有力校がPL学園の野球部とは異なる指導法で実績を上げるとともに、PL学園の評判は落ちていき、次第に実績が上がらなくなった。
教団が学園、野球部を見捨てるようになったのは21世紀に入ってからだ。
窮状が伝えられてから、PL学園を救済せよという声も上がるようになった。
OBの中から、救済の手を差し伸べるべきだという声も上がった。
清原和博が監督に就任するという話も出た。「全身に三匹の竜の入れ墨をし、覚せい剤を常習する指導者」というおぞましい姿が浮かんでくる。
清原和博の逮捕によって、PL学園は「清原を生んだ学校」になってしまった。日本で最悪の学校とみなされているように思う。
何度も言い続けてきたが、11人の現役選手には何の落ち度もない。甲子園への出場を夢見て入学した彼らが晒し者になり、生殺しになるのは教育的見地から見ても大いに問題がある。
PL学園は、11人の生徒の学費を返すべきだ。彼らは全寮制、恵まれた環境で野球ができると信じて入学したのだ。寮も、クラブハウスも、グランドもない今の状況は、違約であり、彼らへの背信だ。
そして野球部員たちが他の学校で甲子園を目指すことができるよう、他校と合同チームを組むなり、転校を促すなりすべきだ。
高野連が本当に「教育」を目的として高校野球を運営しているというのなら、今こそ、PL学園の状況に介入すべきだ。
これはPL学園の危機だけではなく、「高校野球の危機」なのだ。その認識で、PL学園を救済すべきだと思う。
2015年戸村健次、全登板成績【先発に中継ぎに、進歩した6年目】
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このような状態に追い込まれたのは、つい最近のことだ。2009年の夏に5年ぶり17回目の甲子園に出場を果たし、吉川大幾が本塁打を打つなどして2回戦まで勝ち進んだ時は、まだまだ強豪の一角だった。
大阪桐蔭や履正社など新興私学の台頭もあったが、まだ「腐っても鯛」と思われていた。
しかしPL学園そのものが経営難に陥り、中学からの内部進学者以外にはほとんど志望者がない状況となる中で、野球部にも縮小の圧力がかかるようになった。
監督は河野有道を最後として、実質的にいなくなり、野球経験のない学校関係者が名目上務めている。
野球部としての生徒募集も停止してしまった。
PL学園は、高校野球が生んだ「最強の学校」だった。通算戦績96勝(2位)30敗、春夏合計7度の全国制覇(2位)、準優勝4回、4強6回。
1956年の創部以来、わずか60年でこの数字を成し遂げた。
しかしながらPL学園は「最悪の学校」だったのかもしれない。普通の入試を経てPLに入った生徒は野球部には入れない。部員はボーイズやシニアなどの硬式野球経験者。そのほとんどが、指導者のあっせんによる。
全員が野球部の寮に入り、24時間厳しい規律の中で生活をする。先輩後輩が同じ部屋で生活し、後輩は先輩の「部屋子」として洗濯、夜食の炊事など身の回りの世話をする。徹底的な上限関係があり、鉄拳制裁も普通に行われた。
鶴岡泰、中村順司という“名将”によって築かれたこの体制は、今から思えば「野球バカ」を最も効率的に生産するシステムだったと言って良いだろう。
その頂点が、桑田、清原だった。
陰湿ないじめや犯罪も頻発。桑田、清原が在籍中には、野球部員が校内で水死する事件も起きている。
しかし朝日新聞以下のメディア、高野連など「利害を共有する」サイドは不祥事を表ざたにはしなかった。「野球バカ」の生産に手を貸していたのだ。
それでも批判の声は高まる。
後進の有力校がPL学園の野球部とは異なる指導法で実績を上げるとともに、PL学園の評判は落ちていき、次第に実績が上がらなくなった。
教団が学園、野球部を見捨てるようになったのは21世紀に入ってからだ。
窮状が伝えられてから、PL学園を救済せよという声も上がるようになった。
OBの中から、救済の手を差し伸べるべきだという声も上がった。
清原和博が監督に就任するという話も出た。「全身に三匹の竜の入れ墨をし、覚せい剤を常習する指導者」というおぞましい姿が浮かんでくる。
清原和博の逮捕によって、PL学園は「清原を生んだ学校」になってしまった。日本で最悪の学校とみなされているように思う。
何度も言い続けてきたが、11人の現役選手には何の落ち度もない。甲子園への出場を夢見て入学した彼らが晒し者になり、生殺しになるのは教育的見地から見ても大いに問題がある。
PL学園は、11人の生徒の学費を返すべきだ。彼らは全寮制、恵まれた環境で野球ができると信じて入学したのだ。寮も、クラブハウスも、グランドもない今の状況は、違約であり、彼らへの背信だ。
そして野球部員たちが他の学校で甲子園を目指すことができるよう、他校と合同チームを組むなり、転校を促すなりすべきだ。
高野連が本当に「教育」を目的として高校野球を運営しているというのなら、今こそ、PL学園の状況に介入すべきだ。
これはPL学園の危機だけではなく、「高校野球の危機」なのだ。その認識で、PL学園を救済すべきだと思う。
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この部分は完全に広尾さんの主観に過ぎず何も根拠がありません。
高野連がいち高校の廃部(休部)に介入なんてすべきではありませんし「かつての名門校」を特別扱いして救済することや
学園の運営方針に介入なんてことになればそれこそ大問題です。
残った部員が可哀相という感情論で話を進めたいのかもしれませんが、11人になったからといって野球部が成立しないなんてことはなく
部員数がベンチ入り人数の18人未満の学校など全国には探せばいくらでもあるようにPL学園の少人数は理由になりません。
実際高野連も部員8人以下の野球部については連合チームを容認しており、このルールや転校の6ヶ月縛りの規則自体への批判
ということならまだ分かりますが、今回のPL学園を特例でというのはちょっと論ずるに値しないです。
また現在の11人の部員は部の窮状を分かった上でPL野球部を選んでおり別に連合チームも転校も望んでなどいませんよ。
野球部員のためとかもっともらしいことを言うのであれば、かつての名門校ではなく過疎で野球部維持に苦労している高校など
もっとそういう問題のほう目を向けてほしいものです。