1週間飛ばしてしまった。引き続き野球漫画について話したい。
「巨人の星」は、野球漫画のみならず漫画の概念を一変させるような漫画だった。それだけでなく、少年たちを野球に夢中にさせるうえでも絶大な影響力があった。
また、これほどリアルに描きこまれた漫画もそれ以前にはほとんどなかった。
手塚治虫に代表される伸びやかなペンの運びはなく、ぎりぎりと細部まで書き込んだ絵は、息苦しささえ感じた。のちの劇画の前駆でもあっただろう。
この漫画なくして、以後の野球漫画はあり得なかった。
今から見れば「穴」はある。設定に無理があったり、ご都合主義であったり。
星一徹が長屋で、亡き妻の写真に語りかけているときに、偶然、飛雄馬がそれを外から覗いていた、とか、花形、左門の特訓を両方とも星一徹が見ているとか。
しかし、そうしたご都合主義は、当時の漫画では常套的なものだった。
高校時代までの「巨人の星」は、それ以前の少年野球漫画のようないい加減な設定が多々見られたが、プロ入り後の設定は緻密になり、かつてないリアリティを感じさせた。
最も大きな穴は、星飛雄馬の投球フォームが実際の野球選手のそれと、大きく異なっていることだ。
画の川崎のぼるは、単行本「巨人の星」の後ろ扉で、この漫画で第8回講談社児童漫画賞を受けたことについて「野球を知らない男が、こともあろうに野球まんがで受賞するなんて」と語っている。野球にはまったく興味がなかったのだ。
原作の梶原一騎は、それまでも野球漫画をいくつか手掛けているが、それは出版社の求めに応じたからで、本人はあまり好きではなかったという。
だからこういう画になってしまった。

講談社コミック+
当時から野球雑誌には投手や打者の連続写真が載っていた。それを見さえすればもう少しましな画になったとは思うが、当時はそういう下調べも十分にはしなかったのだろう。
当時から野球漫画を描き始めていた水島新司はこのことを激しく非難している。水島の野球漫画は「巨人の星」を反面教師として描いたのではないかと思う。
しかし少年にこれほど大きなインパクトを与えた漫画はかつてなかった。
私もそうだが、今50代の男性は、このインパクトがきっかけとなって野球にのめりこんでいったのだ。
「巨人の星」は「週刊少年マガジン」に1966年から1971年にかけて連載された。
アニメ「巨人の星」は、よみうりテレビが製作し、日本テレビ系列で1968年から1971年にかけて放映された。「サザエさん」よりも1年早かった。
その5年後に「新巨人の星」が始まるのである。

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また、これほどリアルに描きこまれた漫画もそれ以前にはほとんどなかった。
手塚治虫に代表される伸びやかなペンの運びはなく、ぎりぎりと細部まで書き込んだ絵は、息苦しささえ感じた。のちの劇画の前駆でもあっただろう。
この漫画なくして、以後の野球漫画はあり得なかった。
今から見れば「穴」はある。設定に無理があったり、ご都合主義であったり。
星一徹が長屋で、亡き妻の写真に語りかけているときに、偶然、飛雄馬がそれを外から覗いていた、とか、花形、左門の特訓を両方とも星一徹が見ているとか。
しかし、そうしたご都合主義は、当時の漫画では常套的なものだった。
高校時代までの「巨人の星」は、それ以前の少年野球漫画のようないい加減な設定が多々見られたが、プロ入り後の設定は緻密になり、かつてないリアリティを感じさせた。
最も大きな穴は、星飛雄馬の投球フォームが実際の野球選手のそれと、大きく異なっていることだ。
画の川崎のぼるは、単行本「巨人の星」の後ろ扉で、この漫画で第8回講談社児童漫画賞を受けたことについて「野球を知らない男が、こともあろうに野球まんがで受賞するなんて」と語っている。野球にはまったく興味がなかったのだ。
原作の梶原一騎は、それまでも野球漫画をいくつか手掛けているが、それは出版社の求めに応じたからで、本人はあまり好きではなかったという。
だからこういう画になってしまった。

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当時から野球雑誌には投手や打者の連続写真が載っていた。それを見さえすればもう少しましな画になったとは思うが、当時はそういう下調べも十分にはしなかったのだろう。
当時から野球漫画を描き始めていた水島新司はこのことを激しく非難している。水島の野球漫画は「巨人の星」を反面教師として描いたのではないかと思う。
しかし少年にこれほど大きなインパクトを与えた漫画はかつてなかった。
私もそうだが、今50代の男性は、このインパクトがきっかけとなって野球にのめりこんでいったのだ。
「巨人の星」は「週刊少年マガジン」に1966年から1971年にかけて連載された。
アニメ「巨人の星」は、よみうりテレビが製作し、日本テレビ系列で1968年から1971年にかけて放映された。「サザエさん」よりも1年早かった。
その5年後に「新巨人の星」が始まるのである。

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本当に「蛇足」でした。