今、スポーツ関係で、視聴率が取れる番組はほとんどない。
ビデオ・リサーチの発表によれば、
今年、2月8日から16日まで首都圏で一番高視聴率だったのはNHK連続テレビ小説「あさが来た」2/9 26.7%、続いて日本テレビ「世界の果てまでイッテQ!10年目突入記念2時間SP」2/14 19.0%、NHKニュース「おはよう日本・首都圏」2/9 18.4%、TBS「サンデーモーニング」2/14 18.0% 日本テレビ「笑点」2/14 19.0%だ。
スポーツ番組の1位は11.9%に過ぎない。しかもそれはテレビ朝日「日曜エンタ・ビートたけしのスポーツ大将2016ナインティナインも参戦SP」だった。
昨年のスポーツ放送で最も高視聴率だったのは、1/3の「第91回東京箱根間往復大学駅伝競走復路」で28.3%だった。
野球では11/19の「世界野球プレミア12・日本×韓国」の25.2%。
サッカーでは6/16の「2018FIFAワールドカップロシアアジア2次予選・日本×シンガポール」22.0%だった。
プロ野球のレギュラーシーズンの中継が10%を超すことはない。7%台。ゴールデンタイムにこの数字では厳しい。
昨年、日本テレビは7月21日の阪神、巨人戦を最後に中継しなくなった。低迷するフジテレビは、7%でも御の字のため8月末まで中継をした。
いずれにしても、野球中継は地上波テレビのコンテンツとしては絶滅寸前だ。
その点は、サッカーも同様だ。Jリーグの地上波全国放送はとっくに終わっている。Jリーグは2015年から2シーズン制としてポストシーズンを設けた。TBS、NHKが地上波で中継したが、これは11年ぶりのことだった。
スポーツ中継が地上波全国テレビのコンテンツとしては「終わっている」のは間違いない。
地上波放送のターゲットは、テレビを真剣に見ない層になっている。ながら見、流し見をして、適当に笑うような層。タレントや人気者が好きで、それを眺めたい層。
難しい話や、込み入った事情、ずっと見なければわからないものなどは、敬遠される。
わかりやすくて、短くて、単純なものの方がよい。
「ドラマ」だけは例外で、人気者が出ていれば90分でも集中する。これは不思議なことだが、有名なタレントや役者を見たい人が集中するのだろう。
それを除くと「集中してみなければならない」コンテンツは、地上波から消滅しつつある。
そうしたコンテンツはBS、CSに移行した。
NPBの試合は、BS、CSでほぼすべて見ることができるようになった。
J1リーグの試合もスカパー!が全試合カバーしている。スカパー!のJリーグ中継は大赤字のようで、毎年のように縮小化の話が出ているそうだが、今のところ存続している。
「流し見をする地上波」と「集中見をするBS,CS」という棲み分けがいよいよはっきりしてきたわけだ。
中継が見られなくなったわけではないのだから、愛好者にとっては大きな問題ではない。
しかし、スポーツの将来を考えるとこれは深刻なことである。
おそらく地上波でぼんやりテレビを見ている層と、BS、CSで集中している層の中には同一の人間も多いはずだ。
多くの人は、コンテンツによってメディアを使い分けている。
地上波のスポーツ放送にはもはや期待していないのだ。地上波のスポーツ番組がすかすかになっていくのもやむを得ない。
プロ野球の観客は、BS,CSを金を払って見るようなヘビーユーザーが中心だ。中には地方で観戦できない人もいるだろうが、多くはこうした人たちがリピーターとなって何度も球場に足を運ぶことで、観客動員の数字を作っている。
Jリーグの事情も全く同じだ。
NPBの観客動員は2400万人だが、これは延べ人数だ。実数は1000万人以下だろう。
Jリーグは910万人だが、実数は500万人以下だと思われる。
JリーグもNPBもマーケットの実態は似たようなものであり、かなりお寒い。
しかしそこから先の話が違うのだ。
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