必読である。最新号の「週べ」には、PL学園の休部の記事と、清原和博の事件に対する集中連載が載っている。この雑誌にしては思い切った内容だと思う。
PL学園野球部休部の記事は、アマチュア野球のベテランライターである谷上史朗氏が担当している。
PL教団側と学校側の考え方、方針にギャップがあったようだ。また教団トップの意向がころころと変わることも背景にあるようだ。
そもそも学園の運営自体が教団の荷物になったことも大きい。
野球部は極端なエリート主義だったために、いろいろな問題を起こしたが、そのことが直接の原因というよりは、それを口実に、教団側から切り捨てられつつあるということか。
再開の可能性もあるというところに救いを感じる。

P3316872


さて「清原和博の栄光と転落」という連載である。
NPBも高野連も「清原和博個人の問題であり、関係がない」という態度をとる中で、野球界の機関紙である「週べ」も静観していたが、集中連載をすることとした。
まずそれを評価したい。
井口英規編集長の「あまりに闇が深く、野球専門誌として、この問題をどう取り扱っていいか迷っていた」という一文は、正直で好感が持てる。
また「企画の軸が『批判』になるか『再生への願い』になるか」も今後の展開によるというのもよい。予定調和的にまとめる気はないのだ。

確かにそれだけ大きな問題だ。現役時代から薬物を使用していたとすれば「野球界を離れた人間だから」と突き放して済む問題ではない。
読者の意見も交えて、深く考えてほしいと思う。

1回目は西武時代のコーチだった伊原春樹が手記を寄せている。伊原は清原が巨人に行ってピアスをあけたことに驚いたと書いている。率直な意見を吐露しているとは思う。
しかしこうした名のある人物が、事件の核心に迫ることはないだろう。告発者になってもメリットは何もないからだ。

野村貴仁のようにアウトローとなり、守るべきもののない身分になった人物でなければ、重大な事実を明かすことはないだろう。

ファンの声や野球人の声も重要だが、ベースボールマガジンが野球界浄化に一歩踏み出す気概があるのなら、
「匿名での手記、インタビュー」をぜひ掲載してほしい。

さらに週べの記者、担当者が
「何を見聞きしてきたのか」
「何を報道し、何を報道しなかったのか」
を明らかにしてほしい。

新聞、テレビがジャーナリズムとしてほとんど機能しないなか、週刊誌が独走しているが、週刊誌は野球界への愛情はない。

野球界とともに歩んできた唯一のメディアである「週刊ベースボール」の、渾身の勇気を期待したい。

毎号紹介する。


1951年江藤正、全登板成績【最多勝でパ・リーグ初優勝に貢献】

私のサイトにお越しいただき、ありがとうございます。ぜひコメントもお寄せください!


好評発売中