この水曜日に千葉ロッテ・マリーンズ職員の横山健一さんの話を聞いた。
関西を出立するのが遅れて、横山さんの話は最後の1時間しか聞けなかった。
横山さんは以前から知っていて、前にもお話を伺ったことがあった。応援団からロッテの職員になり、40年以上ロッテを見てきた人だ。
何しろ永田雅一に可愛がってもらったことがあるというから筋金入りだ。一つの球団について、この人ほど長く深く知っていて、それを語れる人はいないだろう。
マーケティングの専門家でもあり、その見識は素晴らしい。
最後に東京球場の話もされたが、何時間でも聴いていたいような内容だった。

水曜日の話の中で、バレンタイン監督の2期目の終盤に起こったファンの抗議運動の話が出た。これを聞くのも2回目だったが、バレンタインが一部のファンクラブの背後にある組織と結託して、退任を決定した球団に執拗に抗議活動を展開したという話は実に生々しかった。

私はこの日に「NPBはファンとの対話をしない」という事例で、この事件を例に挙げていた。「あ、この事情を知る人から抗議のコメントが来るな」と思った。

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果たしてコメントが来た。また知り合いの編集者からはFBで事実関係が違うというメッセージももらった。
どちらも穏当であり、当方の間違いを正したいという丁寧な指摘ではあった。ちょっとほっとした。

この問題は、裏がありすぎたし、ファン代表と称する人間が、大部分のファンを代表していなかったし、騒動そのものも非常識なものだった。群集心理も働いて、残念な結果になったのだろう。
この話は明るみに出ているわけではない。関係者、一部のロッテファンが知っているのみだ。「せせら笑われる」ようなものでもない。

しかしこの問題を「ファンと球団の対話」の事例に引いたのは不適切だったかもしれない。
サッカーでよくあるサポーターが横断幕を掲げてチームに抗議するような事例は、NPBでは2005年の球界再編期にあった以外は、これくらいしかない。異論、反論が出るのを承知で例指示したわけだ。
「ファンの声」と書いたことについては、ちょっと後悔しているが、全面的に修正すると議論そのものが見えなくなってしまうので、至らぬ部分はそのままにする。

ロッテ球団は、えせファンや本当のファンに対して、きっちりと対応したわけではない。その点では「ファンとの対話がないNPB球団」という言い方は間違っていなかったと思う。

サッカーサポーター、特定の球団のファンの中には、自説を激しく主張する人が多い。
「お前は何も知らない」「お前は間違っている」
とてんこ盛りでコメントをいただく。思い入れが強いのはわかるが、あなたが見ているのも私と同様「一面的な真実」に過ぎませんよ、と言いたくなる。

私の所へ来るコメントでさえもこうなのだから、Jリーグのように、サポーターと根気よく対話しようとするのは、大変だ。サポーターとて一枚岩ではないし、声が大きいサポーターが全体を代表しているわけでもない。それでも、サポーターを最大のステークホルダーとする姿勢は立派だと思う。

NPB、球団は遅ればせながらも、ファンの方を向いて話をすべきだ。単なる「お客さん」ではなく、ステークホルダーとして正対すべきだと思う。

歯切れの悪い話になったが、私は今後も思ったことを率直に書いていく。誤りについてはどんどんご指摘をいただきたい。


長嶋茂雄安打あれこれ

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