蛇の生殺しのような状況が続いている。

共同
ソフトバンクを退団し、他球団での現役続行を目指す42歳の松中信彦内野手が19日、宮崎市の古巣ソフトバンクのキャンプを訪れ、複数の球団に入団テスト実施を断られたことを明かした。「自分の中で期限は基本的に(2月末と)決めている。いつ呼ばれてもいいように、悔いのない最高の準備をしたい」

明日にも何らかの決意表明があるだろう。おそらくは引退表明だろうか。

松中が「テストをしてくれ」というのには根拠がある。
彼にはまだやれる、という自信があるのだ。

キャリアSTATS

N-Matsunaka


松中が最後に規定打席をクリアしたのは2009年。以後6年間、彼は打撃ランキングに名前が載っていない。
ここ3年はチャンスさえ与えられていない。
このまま消えていっても致し方ないと思える。

しかし二軍での数字は、意外なものだ。

二軍のキャリアSTATS

N-Matsunaka-F


松中は97年、入団した年に頭角を現し、2年目にファームの本塁打王を取って翌年から一軍レギュラーになった。
2010年から再び二軍での出場機会ができたが、2014年には.406、そして2015年は.299、11本塁打というウェスタン・リーグ屈指の成績を上げたのだ。

「まだできる!」という松中の声が聞こえてきそうな成績だ。

松中がソフトバンクを放出されたのは、力が落ちただけが原因ではないだろう。
2013年6月、ソフトバンクが交流戦の優勝を決めた際に、松中は無断でセレモニーを欠席。球団は翌日、松中の登録を抹消した。

このあたりから球団、首脳陣との関係がしっくりいかなくなったようだ。

2015年時点での年俸は3500万円、球団としては年俸減額もやりにくいし、扱いにくい存在になっていたようだ。

NPBの他球団が松中に声をかけないのも、こういう経緯によるのだろう。
「扱いにくい選手」が干されるようにして消えていった例は、過去にもある。

オリックスの大村直之は2010年122安打、.291という活躍をしたが、35歳になる翌年は2試合2打席に出ただけ。10月に戦力外通告をされた。
大村も以後、NPBからは声がかからず、フェードアウトした。

中村紀洋も同様の経緯でフェードアウトしている。

実績のある選手はプライドが高い。
レベルを落としてまでプレーするのは沽券にかかわると思うかもしれないが、私は独立リーグでプレーするのも一つのプランだと思う。
原点である「野球をする楽しさ」を味わうために、若い選手に交じってのどかな環境でプレーしてはどうだろうか。

四国アイランドリーグで松中の雄姿を見ることができるなら、私は追いかけるけどなあ。
張泰山との一騎打ちなんて、最高だ。



門田博光、チーム別&球場別本塁打数(南海時代)|本塁打大全

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