少し前のトロント・ブルージェイズ=TORは、大エースのロイ・ハラデー(現フィラデルフィア・フィリーズ=PHI)が投げるときだけ、別人のようにしっかりしたチームになったが、他の投手のときはからきしだめだった。今季は、ハラデーの地位をリッキー・ロメロが継いだようになった。彼だけが引き締まった投球を見せたが、他の投手陣は進歩がなかった。
TORの投手成績。昨年と今年。各STATSのアリーグ14球団での順位、各数値の昨年対比を入れた。

TOR-2011-Pitch


TORは商売がうまくないチームだと思う。昨年、移籍した2番手のショウン・マルカムは、ミルウォーキー・ブリュワーズ=MILで、地区優勝の原動力の一人になった。セットアッパーのスコット・ダウンズはLAAで抜群の働き。クローザーのケビン・グレッグはBALで、大したことはなかったが。

新加入投手はどれも役に立たない感じだった。ブランドン・モローが辛うじてローテーションを守ったが、あとはとっかえひっかえ起用したが、数字は残せなかった。クローザーのフランク・フランシスコとジョー・ラウチも信頼を得ることはできなかった。
結果として85勝から81勝へと勝ち星を4つ減らした。

今年監督に就任したジョン・ファレルは、名投手コーチとしてボストン・レッドソックス=BOSの投手陣から信頼が厚かった。彼が抜けたことが、今年のBOSの凋落の一因だと思うが、TORでは今のところその手腕を発揮していない。TORというチームは、東地区にあって最下位にもならないが、上位にもいかない。定位置が決まっているようなところがある。はっきりした改革の姿勢を示さないと、ずるずると現状維持のまま行きそうな感じがある。
思い切ったトレードなども考えるべきではないか。