たかが野球の、たかが選手が引き起こしたちんけな犯罪行為かもしれないが、私が非常に残念に思うのは、日本は、こんな小さな事件でさえ、きちんと処分できない国になったのか、ということだ。
巨人の野球選手が、十人余も違法行為である野球とばくを行っていた。その金額は総計すれば数十万円になる。
一部の選手は、違法なカジノに出入りし、バカラなど違法な賭博をやっていた。
さらに、一部の選手は、賭博常習者とも交際し、もっと本格的な野球賭博をやっていた。

これらはまず、違法賭博であり、犯罪である。
一般の人々で、これらの行為が明るみに出たら警察に捕まる。金額の多寡や状況によっては不起訴処分になる可能性はあるが、書類送検はされる。
行政職員や公的役職に就く人であれば、たとえ起訴されなくても、その職や地位を失う可能性もある。

さらに、これらの行為は、NPBが定める野球協約違反である可能性が高い。有期か無期かは別として、該当する選手は資格停止処分になる可能性が高い。

しかるに、彼らを管理監督する巨人とNPBは、その事実が次々と明るみになっているのにもかかわらず、本格的な調査を行おうとはしない。
調査をすれば、これまで追放処分にした選手以外にも、処分される選手が確実に出てくるからだ。
そして、そのような状況を放置し、調査にも手加減を加えた球団やNPBも糾弾されかねないからだ。

日本と言う法治国家、民主国家で、こういう不正な隠ぺい工作、自己保身が、堂々とまかり通っているのである。

巨人は、指導者、選手に厳しいかん口令を敷いている。記者クラブ系のメディアは、それにおとなしく従うから安泰だ。怖いのは、週刊誌系だ。選手に外出禁止令を敷いているのは、そういう接触を恐れてのことだろう。

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巨人の親会社は讀賣新聞社と言う日本一の発行部数を誇る新聞社だ。言論の府として、人々に大きな影響を与えることができる。
「社会の木鐸」「正義の番人」として、市民の負託を受ける大メディアが、自社グループの不祥事、犯罪行為を隠蔽しようとしているのだ。
そのために、本来、文部科学省の監督を受ける一般社団法人であるNPBをも傀儡にし、その隠蔽工作に加担させているのだ。
讀賣が巨人のオーナー代行にすえた松田昇は、NPBの熊崎勝彦コミッショナーの元同僚である。この法曹界出身の二人が、法律の知識を駆使して、巨人軍の博徒たちを無罪放免にする方法を考えている、そう思われても仕方がない。

この件について、プロ野球選手会がほとんど発言しないのは、奇妙なことである。球界再編では正義の旗を振った選手会がなぜ沈黙しているのか。
叩けばほこりが出るからか。
他者の不正は糾弾できても、我がこととなれば知らぬ存ぜぬでは、巨人も同然ではないか。
松原事務局長を失って、選手会も劣化したのか。

讀賣新聞、巨人は、他のメディアの報道に難癖をつけるなどして、時間稼ぎをしている。
このまま3月25日を迎え、プロ野球が開幕してしまえば、人々の関心はそちらに向く。
東京ドームでのヤクルト戦に「プレイボール!」の声がかかるのを待っているのだ。
人のうわさも75日で、野球賭博の話題は雲散霧消するだろうと思っている。
我々一般人は、完全になめられているのである。

日本のプロ野球界では「正義」が行われていない。
球団も機構もぐるになって、選手の違法行為をもみ消し、不問に付そうとしている。
このことを、小さなことだと思ってはいけない。

私はシーズンの中断や中止には否定的だ。それはプロ野球の破滅への道を示しているように思うからだ。
だからこそ、それまでに球界が自浄能力を発揮してほしいと思う。あと1週間、最後のチャンスだ。


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