スポニチ
日本野球機構(NPB)の調査委員会は22日、都内で会見を行い、野球賭博への関与が明らかになった巨人の高木京介投手(26)を1年間の失格処分とする処分案を発表した。巨人には制裁金500万円。最終的な処分は熊崎勝彦コミッショナーによって判断される。
奇怪な処分案である。

福田聡志、笠原将生、松本竜也は、昨年10月の野球賭博事件の発覚によって、NPBの調査を受け、野球賭博をしていた事実を認めた。

巨人は11月に3人との契約を解除する方針を決定、NPBも3人に対し無期限失格処分とした。

NPB、巨人はこの時点でこれ以上、野球賭博に関与していた選手はいなかったと発表していた。

しかし今年3月になって「週刊文春」が笠原将生、松本竜也の取材記事を掲載する中で、高木京介の名前が出てきた。
「週刊文春」が球団に問い合わせたことから、球団側が高木に再度事情聴取をしたが、高木はこのときは、野球賭博をした事実を否定した。
しかし3月7日になって高木は、野球賭博への関与を告白。
翌日、巨人はこの事実を明らかにした。
3月9日、高木京介は謝罪会見を開いた。

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高木京介は、10月の巨人、NPBによる調査委の際には、野球賭博をしていたにも関わらず、自ら申告しなかった。嘘をついていたのだ。

3月になって、高木の名前が「週刊文春」で上がり、再度事情聴取された際も、関与を否定した。
二度嘘をついた挙句、家族や関係者のアドバイスによって、ようやく白状したのだ。

なぜ彼だけが資格停止1年で、残る3人が実質的な「永久追放」なのだろうか。

日刊スポーツ

「1つは10日間ほどの間に3、4回に渡って8~9試合かけただけで、すぐにプロ野球賭博を辞めている。もう1つは、笠原選手からその後も平成26年及び、平成27年にプロ野球賭博や高校野球賭博、裏カジノを数回にわたって勧められたけど、これを断って野球賭博などをしてこなかった。この2つの点について、笠原選手、福田選手、松本選手の野球賭博への関わり方と比較していったわけであります。笠原選手は積極的に野球賭博に関わっている。福田選手につきましても、プロ野球賭博だけではなく、Aというものが野球賭博常習者と知りながら、Aらとともに賭けマージャンやバカラ賭博をするなどして交際していた。さらに高校野球やメジャーリーグの試合にも賭けていた。したがって福田選手も積極的に野球賭博に関わっていたと認められる。松本選手は平成26年にプロ野球十数試合に関して、笠原選手を介して賭けていた。さらに平成27年に高校野球十数試合に関しても、福田選手を介して賭けている。2年にわたって積極的に野球賭博に関わっている。これに対して、10日間でプロ野球賭博を辞めた高木選手の野球賭博に関する関わり方は、相当に浅いものがあるという風に認められる。さらに加えますと、高木選手は自ら野球賭博常習者との関わりを毅然として絶つことを決意して、それを絶って、自己の行為を真摯に反省している。そういったことを総合的に判断して、1年間の失格処分が相当であるという判断をしました」と話した。
高木京が昨年10月の聴取では野球賭博を認めず、今年に入って認めたことについてのマイナス部分は「もちろんそれも考慮はしてますが、考慮した上で総合的に判断して、1年間の失格処分が相当であると判断しました」



3人より野球賭博への関与がましだ、反省している、だから軽い処分にした、という解釈のようだ。
高木京介は高校野球賭博に関与した10人に含まれていなかったのは新たな事実だ。

しかし、2度にわたって虚偽の話をしていた「悪質性」については、考慮したと言っているが、考慮していない。
一人で謝罪会見を開いたことは、勇気のいることだったかもしれない。世間の同情も買ったかもしれない。

しかし高木が昨秋正直に告白していれば、巨人もNPBもここまでもめずに済んだのである。

笠原の取材によれば、高木京介はブルペンで自分が賭けているチームが勝って、ガッツポーズをし、コーチに「賭博やっているのか」と言われたという。
関与の軽重はどうか知らないが、意識としては出来心ではなく、真っ黒である。

恐らくは高木がBや笠原を裏切って、NPB側についたという認識があるのだろう。だから“減刑”したということか。

「正義不正義」ではなく「どっちの味方か」を判断基準にしたのだろう。これではやくざの抗争と変わらない。

もちろん、そのことで今も嘘をついている選手が「今からゲロしても、1年で済む」と思うかもしれない。
それで白状する人間が増える可能性はわずかながらあるとは思う。

福田、笠原、松本は納得しないだろう。
笠原は一時、「高木だけは守りたい」と言っていたが、こういう結論になっては高木のことを恨みに思うだろう。逆恨みではあるが、不公平感はある。

これが前例になるとすれば、プロ野球選手の野球賭博は少しの関与ならば永久追放にならないことになる(高校野球賭博も問題視されない)。

大甘の処分である。巨人の博徒選手たちは胸をなでおろしたのではないか。

調査委員会の発表は熊崎コミッショナー、巨人、讀賣新聞で捏ね上げた作文だろうから、このまま認められるのは確実だ。
熊崎氏は、高名な検事のはずだが、在任中もこういうことをしていたのか。法律の知識を使って恣意的な判断をしていたのか。


NPB、巨人はこれで3人とA、Bに責任を押し付けて、強引に逃げ切る態勢に入ったのだろう。
対面も何もかなぐり捨てて、必死で逃げようとしている。無様である。

正義のために、野球のために週刊文春頑張れ、サンケイ頑張れと声高に叫ばずにはおれない。


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