前後したが、昨日の週刊ベースボール、「黒記事」に新展開だ。せこいけども。



まず、4号前から始まった「集中連載 清原和博 栄光と転落」は、あれでおしまいだそうだ。今号からは、野球賭博も含めた短期集中連載「球界の闇を許すな」になったという。
なんか近鉄とオリックスの合併みたいで釈然としない。

「間違いだらけだ!球界の倫理観」と見出しは勇ましい。
中身は事実関係の後追いである。
さらに球団やNPBの調査があくまで任意であり、限界があると説明。そのうえで「未来において再発を防ぐこと」を訴えている。もっともなことだ。
ただ、この程度の中身のない論説で、短期とはいえ「集中連載」できるのか。

私は「野球界の機関紙」と言われる週べには、野球選手の常識の欠如など「球界の体質」について、するどく迫ってほしい。
この記事にもあるように「球界の常識が世間の常識ではない」のだとすれば、それは何なのか、具体的に説明してほしい。
それが「球界の一角を担う(前号 一翼だと思うが、これも球界の常識か?)」週べの役割だと思う。
次の見開きではMLBの薬物汚染のことが紹介されている。確かに関連記事だが、全容解明がされないうちに、他山の石を持ってくるのは早すぎると思う。

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今号では、コラムニストたちが積極的に発言をしている。

石田雄太氏も“業界の常識は世の中の非常識”と言う言葉で、野球界の慣習を批判している。ノックのミスや声出しでの金銭授受は野球協約違反ではないかもしれないが、そこで開き直ったらさまざまな温床を根絶やしにできない、と指摘している。
見出しは「野球好きは呆れている」。球界はこのことの恐ろしさを真剣に受け止めるべきだろう。

「日本球界の未来を考える」これ、なかなか良い連載だと思ったが、最終回なのだという。オフの企画だったのだろう。
「モラルなき世界が敬意や支持を受けることはない」
「性善説に頼っていては何もしないのと同じだ」
など、鋭い言葉が並ぶ。
テレビ業界が選手の取材に金銭を支払うようになったり、活字媒体が厳しい論陣を張れずにいることも指摘している。筆者は、週べの現状もそうなのだと言いたいのだと思う。
筆者は以前から、球団広報の傲慢さなども指摘していた。
「球界全体の謙虚さ」は大きなキーワードだろう。

我らがスージー鈴木さんは、チャゲアスの「NとLの野球帽」を取り上げ、これが西鉄ライオンズのことであり、このチームが野球賭博、八百長の果てに消滅したことを紹介。
今の新人野球選手に
「インタビューで受け答えを研修するのもいいが、日本プロ野球史を徹底的に教え込むべきではないか」としている。賛成。
そのうえで、16年シーズン到来。明けましておめでとうございます。で締めくくる。野球好きとはこういうものなのだ。

やくみつるの漫画も2つとも野球賭博関連。
祝儀と円陣声出しを茶化している。洒落にならないことをあえて洒落にしている。触れずにおれなかったのだろう。

より問題だと思うのは、岡田彰布、堀内恒夫、野村克也と言う野球選手上りのコラムニストが、まったく野球賭博問題に触れていないこと。編集部からの要請でもあったのか。
偉大な野球人である3人は、その立場からしても野球賭博に触れる「義務」があったと思うが。感覚が鈍いのか、触れたくない理由があるのか。
「球界の常識」を代表する識者たちが、世間から遊離していることをはしなくもうかがわせた。

豊田泰光氏なら絶対に何か言ったと思うが。



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