もう一度言っておこうと思う。
NPB、12球団は「区切り」を宣言した。確かに野球賭博事件は「きれいさっぱり終わりました」ノック、円陣声出しの金銭授受は「ごめんなさい、もうやりません」で済ませる気かもしれないが、明るみに出た事実のうち、2つは看過できない。
1つは、高木京介ともう一人の選手が裏カジノの違法スロットマシンで遊んでいた件。

違法スロットは、合法のスロットよりも多額の金が動き、暴力団の資金源になるため、警視庁、警察庁が摘発に力を入れている違法賭博だ。
職場で賭けマージャンをするとか、賭けゴルフとは全く異なる。賭けの金額にかかわらず、罪に問われる真っ黒なギャンブルだ。

この犯罪は現行犯逮捕が原則だ。違法スロットの現場に警察が踏み込み、賭博の事実をその場で確認する。そのうえで店の管理者、従業員、客を逮捕する。
あとから裏カジノに出入りしていたことが分かっても、逮捕される可能性は少ない。

しかし高木京介ともう一人の選手が暴力団関係者が経営する裏カジノに出入りしていたとすれば、明らかに有害行為を行っていたことになる。球団は2人を警察に告発すべきだと思うが。

さらに

野球協約第180条1の(3)
暴力団、あるいは暴力団と関係が認められる団体の構成員又は関係者、その他の反社会 的勢力(以下「暴力団員等」という。)と交際し、又は行動を共にし、これらの者との間 で、金品の授受、饗応、その他いっさいの利益を収受又は供与し、要求又は申込み、約 束すること。


に抵触する可能性がある。

NPB、巨人は、Bと食事を共にした選手たちは、その時点でBが野球賭博常習者、暴力団関係者だったことを知らなかったとし、野球協約第180条1の(1)に当たらないとしているが、高木ともう一人の選手が裏カジノで違法スロットで遊んだ行為も「裏カジノとは知らなかった」で済ませるのだろうか。

26歳にもなるいい大人が、自分が遊んでいるカジノが「やばいところかどうかわからない」のだとすれば、球団の教育にも問題があると思う。

熊崎コミッショナーはこの件について、協約に抵触するかどうか明らかにしていないが、早急に判断すべきだ。
「裏カジノへの出入りが野球協約に抵触しない」という判断をするとすれば、世間は納得しないと思うが。

その判断が下って「クロ」となれば、高木京介の「失格処分1年」という処分は、そのままでは済まないと思うが。
また一緒に行った選手は、少なくとも名前を公表すべきだと思うが。

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もう一つ、高校野球賭博は、本当に野球協約に抵触しないのか。

巨人の場合、10人前後が1口5千円~1万円を払い、くじで引いた高校の成績によって賞金を分配する遊びを行っていた。
ベスト4、準優勝を充てた選手にも一部賞金が入る。
さらに(1)雨天中止(2)延長戦突入(3)完封負け(4)サヨナラ負け(5)10点差負け(6)選手宣誓(7)外国人選手(8)監督がメガネの場合は、そのチームを引き当てた選手が罰金を支払うルールだった。

阪神は20人前後が1口5000円で参加。春、夏の甲子園を対象にくじ引き形式で高校を割り当て、優勝校を引き当てた選手が総取りする形式だった。

DeNAは数年前からチーム内の約10人の選手が参加していた。参加費は1人1万円。支払った全員に抽選で出場校を割り振り、優勝校のくじを持っていた選手が全額を受け取る仕組みだったという。

巨人の場合、Bと一緒に高校野球くじをしていたことが明らかになれば、野球協約第180条1の(3)に抵触する。
巨人はBが野球くじに参加した事実はないと言っているが、これが事実なのかどうか、はっきりさせるべきだ。

またNPB側は高校野球くじの賭博性や違法性の有無、には言及せず「協約には違反しない」としている。

第180条1の(2)には
所属球団が直接関与しない試合、又は出場しない試合について賭けをすること。


とあるが、これは、プロ野球に限った話で、その他の野球のことは言っていない、だから協約上問題がないということか。

今後の本当に球界から「野球賭博」を根絶したいのなら、協約の「野球賭博」の定義を、プロ野球だけでなくあらゆる野球に関して金品を賭ける行為、あるいは野球くじ等の遊戯に参加する行為という風に改めるべきだろう。

そうしないと、高校野球くじは「野球協約上OK」というお墨付きを与えたことになってしまう。

この2点、はっきりさせてほしい。


開幕投手ベストピッチング


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