アメリカだなあ、というのが率直な感想だ。
朝日新聞
【ニューヨーク共同】米大リーグで通算687本塁打を放っているヤンキースのアレックス・ロドリゲス内野手が23日、2017年のシーズン終了後に現役を引退する意向を表明した。スポーツ専門局ESPNのインタビューで明かし「来年の後はプレーしない。今までとても楽しかった。家に帰り、父親になる時だ」などと話した。
いい話風に聞こえるが、結局、A-RODは薬物だの、強欲だの、さんざん世間を騒がして、きっちりいただくものはいただく、ということだ。
契約したのだから当然ではある。違和感をもつこと自体が日本人的ではあるが。

おとっつぁんが死んでから、すっかり財布のひもが固くなり、ふつうのチームになったヤンキースだが、ずいぶんと「在庫」が溜まっている。2016年以降の大型契約、年俸残額。
・A-ROD 41歳 2016-2017 4200万ドル
・CCサバシア 35歳 2016-2017 5000万ドル(2017年は条件によって支払われない)
・Mタシェアラ 35歳 2016 2312.5万ドル
・Bマッキャン 32歳 2016-2019 6600万ドル(2019年はオプション)
・Bガードナー 32歳 2016-2019 5000万ドル(2019年はオプション)
・Jエルズベリー 32歳 2016-2021 1億2671万ドル(2021年はオプション)
・田中将大 28歳 2016-2020 1億1000万ドル
こうしてみるとA-RODはもう大きな負担ではないということがわかる。
これらの選手が契約満了時までフルで働く可能性は少ない。
もちろんそういうことも見越しての契約ではあろうが、こういう数字を見ると、まっとうではないようにも思えてくる。
開幕投手ベストピッチング
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今世紀に入ってからの年俸高騰を支えている主因は、もちろん放映権料なのですが、その資金を捻出するために、当然ながら各家庭のケーブルテレビ契約料もじわじわと値上がりし続けています。
地域や事業者によって異なりますが、TVの基本チャンネルに電話サービス、ネット接続を加えたセット契約で100$をゆうに超え、120$くらいが相場かなという印象です。オプションで専門チャンネルを加えるとさらに費用は増します。
この料金は日本最大手のJ-COMよりもだいぶ割高で、あちらではケーブルテレビの必要性がより高いことを考えると(ネット接続をケーブルテレビに依存しているケースが多い)、消費者は随分と足元を見られているなあ、という印象です。そのためにアメリカではケーブルテレビ離れが起こっており、最盛期は70%を超えていた契約率がじりじりと下がり続けています。
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