“失われた5年間”を経て、井川慶がNPBに復帰する。オリックスと契約する運びとなったのだ。

彼のアメリカでのキャリアは悲惨の一語に尽きる。

kei-Igawa20120329




チャンスを与えられたのは1年目14試合、2年目2試合だけ。その後3年間はMLBに上がる機会を与えられず、AAAスクラントンで投げ続けた。球団記録の28勝を挙げたが、それは勲章とはいえない。
井川慶はグリーンカードを取得、アメリカに骨をうずめるつもりだったと言われる。しかし、どこからも声がかからなかったのだ。今になってようやく日本球界復帰が決まったのは、彼がどこでもいいから野球をやりたいと思うようになったからだろう。

AAAでの数字をみると、MLBでエース級は無理だとしても、先発ローテの下の方くらいの実力はあったかもしれない。あるいは中継ぎなら通用したかもしれない。しかし一切機会は与えられなかった。高い年俸は一員だっただろうが、活かす気があれば方法はあったはずだ。

なぜ、井川はかくもニューヨーク・ヤンキース=NYYから拒絶されたのか、誰かが井川、NYY双方にヒヤリングすべきだと思う。

MLBでは井川から、「日本のエース級でも通用しないことがある」という教訓を得たようだ。

スポーツ新聞は金子、寺原、中山、フィガロ、マクレーン、西の6人。さらに小松、木佐貫、近藤ら経験のあるベテランも控え、井川の加入で、質量ともに、他球団を圧倒する投手陣となる。
と手放しだが、オリックス投手陣は怪我や故障が絶えない。フルに回転するとは思えない。

また、ファーム暮らしがほぼ5年も続いた井川がトップリーグですぐに通用するかどうかは疑問だ。

「1カ月くらいかけてもどしたらええねん」と岡田監督は鷹揚だが、「ファーム暮らしの井川は腐っていなかったか」も注目ポイントだ。

誰か、『井川慶の1800日(5年間)』を書く作家はいないだろうか?

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