野球界の濁った空気にうんざりしているが、その話題に隠れるように、松坂大輔がまた離脱したようだ。これも重い。
スポニチ
昨年8月の右肩手術からの復帰を目指すソフトバンク・松坂が、発熱による体調不良のためブルペン入りする予定だった2軍の練習を休んだ。
3月16日の西武とのオープン戦(西武プリンス)で先発して以降は状態が上がらずに2軍で調整。倉野投手総合巡回コーチは「症状はそこまで重くない」としたが、今後は白紙に戻されることになりそうだ。
昨年も3月17日のオープン戦を最後に投げられなくなり、5月20日の二軍戦で復帰したが、8月に肩を手術。以後、完全に戦線離脱した。
今季は春先からブルペンに入り、順調と言われた。開幕ローテには入らなかったが、いずれ上ってくるものと思われた。
しかし、こういうことに。
これ、恐らくメンタルだろう。
昨年も、原因がなかなかわからず、最終的には肩ということになったが、マウンドに上がることもできなくなっていた。
今季は肩も癒えて、フィジカルの問題はなくなったはずだが、もう1か月も投げていない。
来年まで総額12億という超大型契約。高まる期待、そして思い通りに動かない肉体。試合そのものが怖くなっているのではないか。
世代を引っ張ってきたトップランナーだけに、今の自分を受け入れることができないのではないか。
私は、藤川球児に倣うべきだと思う。
藤川もトミー・ジョン手術のあと、不本意な成績でMLBを去った。古巣阪神などからオファーがあったとされるが、それに乗らず、四国アイランドリーグplusの高知ファイティングドッグスに移籍。ここで2完投するなど健在ぶりを見せつけて、阪神に復帰した。
阪神では先発に転向し、先日は久々の先発勝利を挙げた。明らかに高知でやったモデルチェンジが功を奏したと言って良いだろう。
藤川はプレッシャーのかからない環境で、野球の原点を取り戻したのだろう。藤川は夏休みに子どもたちと郷里の山、川で遊んだこともよかったと言っていた。
長く一線を走ってきたアスリートには、そういう時間も必要なのではないか。
ソフトバンクには三軍がある。巨人の三軍とともに、四国アイランドリーグplusに交流戦という形で参戦している。
松坂は三軍に入れば、移籍することなく四国アイランドリーグplusでの野球を経験できる。
ぜひ、そうすべきではないか。
観客は少なく、球場も新しくはないが、そこには野球をする喜びが、純度の高い塊として転がっているように思う。藤川はその塊を拾って、懐に入れたのだ。
藤川だけでなく、大隣憲司のように四国での試合を足掛かりに復活した選手もいる。
松坂が参戦すれば、四国の各球場は沸くことだろう。少し調子が悪くても成績を残すことも可能だろう。
家や練習施設でくすぶっているようにはるかに良い結果を残すと思う。一考ありたし。
1970年堀内恒夫、全登板成績【内容良く防御率4位】
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