昨日の阪神巨人戦、0-1の3回に脇谷の中前打で小林誠が本塁に突入、中堅の大和が好返球で小林を本塁に刺した。
アウトの判定。新人捕手の原口はしてやったりと言う顔で、ベンチに帰り、プロテクターを脱ぎかけたところで審判団が集まり、ビデオ判定をすることになった。
そして、コリジョンルールでセーフとなった。

コリジョンルールは、主として以下の3つの基準からなる。
1. 走者が捕手に体当たりすることを禁じる
2. 捕手が本塁や走者の走路をブロックすることを禁じる
3. それ以外でも激しい接触をしないこと


VTRを見る限り、原口はホームベースをまたぐ形で送球を待っている。ホームベースは空いている。ボールをミットで受けると、滑り込んでくる小林に向けて両手でミットを差し出してタッチをしている。
走路もブロックしていないように見える。
原口のプレーは、コリジョンルールについて理解し、何度も練習をしていたことをうかがわせるようなものだった。
本塁や、走路はずっと空いていたし、走者小林に対して激しく当たることもなかった。

今年3月15日のヤクルト広島戦では、左前打で突っ込んだ広島の走者が左翼手の返球でアウトになったが、この際はヤクルチトの捕手中村悠平が、明らかに走路上に構えて、走路、本塁をブロックしていた。
こういうのがアウトになるのは仕方がないと思った、
昨日の原口のプレーは中村悠平のケースを見て、十分に理解していたのではないかと思えたのだが。

昨日の審判団は、原口がホームベースをまたいで構えていたこと、そして一瞬とはいえ、走路に体をかぶせたことを問題視したのだろう。
あれがコリジョンルール違反だとすると、捕手は、本塁や走路には一瞬たりとも触れてはいけないことになる。原口は本塁の後ろに構え、捕球すると横から走者小林誠にタッチしなければならないことになる。

コリジョンルールは、2011年、ジャイアンツのスター捕手、バスター・ポージーが走者のタックルを受けて左足首靱帯を損傷する大けがを負ったことから機運が高まった。
その後の話だが、ポージーは9年1.67億ドルもの契約をした大物選手だ。
これだけの選手が、一瞬の事故でプレーができなくなるのは、球団経営上、深刻な問題だ、という判断が働いて導入された。
要するに「資産としての選手を守る」というオーナーサイドの判断によってできたルールだ。

このルールが浸透すれば、きわどいタイミングでの本塁上でのクロスプレーはなくなるかもしれない。
外野手は間に合うか、間に合わないかのタイミングでは、投げるのをあきらめるだろう。イチローのようなレーザービームも見られなくなるかもしれない。
走者の側も、きわどいタイミングでの本塁突入を思いとどまる可能性が高くなるかもしれない。クロスプレーは減るだろう。

あるいは捕手は、本塁、走路上ではなく、その横に構えて、ミットを横手から出して走者を薙ぎ払うようにタッチする技術を磨くかもしれない。

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私はどんなことであれ、ビデオ判定には否定的な立場だ。野球はあくまで人がプレーし、人が判断するものだ。審判がアウトと言えばアウトだ。
それが野球だという立場だ。

しかしコリジョンルールはさらに複雑だ。アウト、セーフの判定ではなく、そのプレーが違反しているかどうかを審判の目で確かめるというのだ。
ビデオ判定によって白黒がはっきりするのではなく、グレーゾーンを生身の人間がさばくのだ。昔の大相撲の「無気力相撲」のように割り切れない判定だ。

昨日の阪神、金本監督のように
「あれをコリジョンと言われたら、ハハハ…。負けた後に言いたくないけれど。まあ、納得いってなかったから」
というような不満も出てくるだろう。

コリジョンルールはもう少し、しっかりしたルールを設けるべきだろう。
走路や本塁をふさぐふさがないではなく、どういう動き、どういうプレーがだめなのかのガイドラインを示す必要があると思う。


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