BSの解説者は毎年少しずつ入れ替わるが、今年から加入した新井宏昌の解説が実に素晴らしい。
新井は昨年まで広島カープの打撃コーチを務めた。
今年になって学生野球資格を回復、またNHKBSやJ SPORTSの解説にも復帰した。

もちろん現役時代から知っている。右投げ左打ちの外野手で、足が速く、安打製造機として知られた。
南海時代の打率が.285、近鉄に移籍してからは.299、最多安打や首位打者もとった。南海はゴジラ目の山口哲治と交換で新井を出したのだが、瀕すりゃ鈍すで、この選手の良さがわかっていなかったのだろう。



引退後もコーチとして長く各球団をまわったから、どんなしゃべり方をするのか、よく知らなかった。

一言で言えば丁寧。そして感覚で話さず、きちんと言葉でかみ砕いて説明しようとするのだ。

今日の田中の登板で言えば
田中が93mph超の4シームを投げなくなったことに触れて

速い球があると打者はそれにタイミングを合わせようと準備しなければならないんです。それがないと打者は安心して打席で構えることができます。
速い球の残像が残ると打者は、一瞬ですが構えが遅くなるんです。


速球を主体に投球を組み立てることのメリットを、打者の側から的確に説明した。

今日は、シフトを敷くヤンキースの内野手の正面にゴロがよく飛んだが

シフトと投球があっているということですよね。田中はシフトを意識して、投球をしています。

切れのある球とはどういう球か、と工藤三郎アナから振られて

投手の球は、どうしても手元へきてスピードが落ちます。でも終速の落ち方が、打者の想像よりも小さいと、打者は切れがあると感じます。

例えば、新井さんが対戦した投手では誰ですか、と聞かれ。

村田兆治さんは、(終速が落ちず)低めに伸びがあるから、僕たちがボールだと思った球でも、審判がストライクと言うことが多かったです。

工藤アナにもっと突っ込んでほしかったが、これはここで終わった。

6回、一三塁の好機でヤンキースの走者がゴロで突っ込まなかったときには

日本なら(打席に)強打者が立っていても、ゴロゴーにします。三塁ランナーが本塁でアウトになっても、ランダウンプレーで一塁走者を三塁まで進めることができますから。

新井はA-RODの打撃が好きだったのだという。本塁打のVTRを見ながら、

アレックス・ロドリゲスの左手の使い方が大好きです。左手で振りぬき、強い右手を使いすぎません。右手を早く離しているでしょう。
首位打者を取って日米野球に来たときは、線が細くて本当にこれが首位打者かな、と思いましたが。


レイズの内野手モッタ―が攻守でもたつくのを見て

このところ、モッタ―選手のまずい守備と三振をたくさん見ていますね。
モッタ―選手は遠いところに立って打っています。
外からアウトサイドの球を捕まえに行っている。これでは打てるはずはないですね。

田中が好投して勝って

試合に勝って文句はないのですが、左打者に(いい)スイングをされているのが気になりました。

ダルビッシュが明日MLBに復帰することには

ダルビッシュ投手とは面識はありませんが、神戸の北野坂の近くにダルビッシュ館があります。私の家の近くなので、がんばってほしいですね。

上品な関西弁で、どんな話題にでも丁寧に答えようとしている。どんなコーチだったかがよくわかる。
64歳だそうだが、これからも新井の解説を聞きたいと思った。

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1976年渡辺弘基、全登板成績【73試合に登板、当時のセ・リーグ新記録】

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