ダルビッシュは真っ赤なユニフォームを選んだ。緊張はしていない。

捕手は33歳のボビー・ウィルソン。

0528-Darvish


1回表、えらい汚い顔をしたジョン・ジェイソへの初球は力みが出たか低値の速球。2球目のカッターを中前に運ばれる。看板役者マカッチェンへも速球主体で投げて、最後はキレキレのスライダーで完全にタイミングを外させる。ポランコは遊撃正面への当り。遊撃アンドルスの一塁送球がダッグアウトに入り、ジェイソは三進。フリースの初球、98マイルが出る。ダルのMLBキャリハイだ。この投球を見ても、ダルは手術前より明らかにパワーアップしている。そして臆せず力でねじ伏せようとしている。
1回裏、フィルダーの遊ゴロとベルトレの一発で3点が入る。

2回表、軽く投げた速球が伸びてマルテを三振。セベリも軽く投げて中飛。ジョイスも二球目まではゆったりとしたフォームで追い込んだが、ここでいきなり96mphの豪速球をズバッと投げこんで見逃し。いや、しびれます。

3回表、下位打線は適当にさばくのがダルビッシュの流儀だ。マーサーは遊ゴロ。フィゲロアはタイミングが合わず歩かせる。うるさいジェイソはフルカウントから空振り三振。フィゲロアがすかさず盗塁。マカッチェンは遊撃へのハーフライナー。42球。

4回表、ポランコは軽くひねって二ゴロ、フリースは9球粘る。さすがに主軸には力を入れている。ズバット速球を投げ込んで三振。マルテも粘るが二ゴロ。
4回裏、モアランドの一発が入って4-1。

5回表、先頭のセベリに安打を打たれる。ジョイスは簡単に打ち上げる。マーサーは力の入った2シームで空振り三振。ここで前の打席で歩かせているフィゲロア。ダルはNPB時代からソフトバンクの江川など、脇役の打者を苦手にしていた。フィゲロアにも投げにくそうで、ジョイスに盗塁を許した挙句タイムリーを打たれる。
ジェイソは三振。

これまで投げていたのとは違う、小さくシンカー気味に曲がる2シームを投げた。そしてスプリッターを1球も投げなかった。もともと多くはなかったが、かつてはそれでも使っていた。
カーブの精度が悪かったが、スライダーの切れが良かった。

なかなか見ごたえのある投球だった。

ダルの後は見知った顔の投手が上がる。バーネットだ。最初は打ち込まれていたが、最近はセットアッパーとしていい働きをしている。

まずは順調。楽しみが増えた。


1976年渡辺弘基、全登板成績【73試合に登板、当時のセ・リーグ新記録】

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