裁判というものは、忘れたころに判決が出る。ずいぶん間の抜けたものだが、この判決は讀賣グループには大きなダメージではないか(一部事実関係を修正)。

スポニチ

巨人・原辰徳前監督の女性問題報道、文春の勝訴確定
プロ野球巨人が、原辰徳監督(当時)の金銭問題をめぐる週刊文春の報道で名誉を傷付けられたとして、発行元の文芸春秋に損害賠償と謝罪広告の掲載を求めた訴訟で最高裁第3小法廷(木内道祥裁判長)は、巨人側の上告を受理しない決定をした。報道を真実とし巨人の請求を棄却した2審東京高裁判決が確定した。決定は28日付。



週刊文春は平成24年6~7月に、原が過去の女性問題で脅迫された元暴力団組員に1億円を支払ったとする記事を掲載した。

野球協約では、暴力団組員と知って金を渡した場合は野球協約違反となるが、文春は巨人側が記者会見で「反社会的勢力ではない」と嘘をついたとも指摘した。
1審東京地裁は「恐喝した者を一般的に反社会的勢力と考えるのは妥当。取材を通じ、巨人も同様の認識だったと信じるには相当な理由があった」と請求を棄却。
2審も「巨人側は会見時、反社会的勢力であることを把握していたが虚偽の説明をした」として巨人の控訴を退けた。

今回の判決で、原辰徳は、女性問題で恐喝されていたのために、反社会勢力に巨額の和解金を支払っていたことが確認された。巨人、讀賣はそれを隠蔽。野球協約にも抵触していた。

ただし、この裁判は、巨人側の違法性をめぐって争われた裁判ではなく、文春記事の名誉棄損をめぐっての裁判なので、巨人側が敗訴したからと言って直ちに彼らが罪に問われるわけではない。ファンや讀賣、巨人の読者、株主などが別個の訴訟を起こさない限り、これ以上のことは起こらない。
事件から4年も経ち、当事者の原辰徳も監督を退任し(そのまま監督をしていたら大変だった)、“済んだこと”になってしまっている。
野球協約違反だからと言って、他球団や選手が責任追及することも考えられない。コミッショナーも例によってだんまりを決め込むだろう。
ダメージはそれほど大きくないと踏んでいるだろう。

しかし、これによって、讀賣、巨人のどうしようもない体質がはっきり浮かび上がったのは事実だ。
健全なプロスポーツを運営する企業であるはずの讀賣ジャイアンツ、社会の木鐸をもって任ずる日本一の大新聞社讀賣新聞社が、所属する野球人が暴力団の卑劣な脅しに屈服し、巨額の金を供与した事実を隠蔽のだ。
反社会勢力に対して、甘い、弱腰。社会的正義に対する認識が狂っている、とみなされても仕方がないだろう。
このような腐った体質だから、選手のモラルも低下し、野球賭博や裏カジノへの出入りなど、有害行動を誘引したとみなされても申し開きはできないのではないか。

言論機関としてまともであるならば、讀賣新聞社ははっきりとしたステートメントを出すべきだ。

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1976年八木沢荘六、全登板成績【プロ入り10年目で初の2ケタ勝利】

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