スポニチ
日本野球機構(NPB)とプロ野球12球団は4日、都内でプロ野球実行委員会を開き、2020年東京五輪の大会期間中に公式戦を中断する方針を固めた。五輪中の大規模なペナントレース中断は初。11日のオーナー会議で正式決定される見通し。
大会期間は7月24日から8月9日まで。夏休み期間中で各球団の稼ぎ時でもあり、約2週間でレギュラーシーズン70試合前後が開催できなくなる。それでも、熊崎コミッショナーは「五輪期間中にできうるかぎり全面的な協力を行うことは揺るぎないこと」と語った。

五輪の規定では、五輪の競技中はその都市では、大規模なスポーツイベントは開催できない。
しかし、他の都市では試合興業は可能だ。

五輪の開催によって、国内のスポーツイベントが影響を受けて興行ができなくなるのは「スポーツ振興」という五輪の趣旨を考えても本末転倒だ。

その分、開幕と閉幕をずらして対応するのだろうが、7月24日というと、本当なら消化試合数は90試合近くになり、ペナントレースの勝敗の行方が見えてくる時だ。
この佳境で2週間も試合を中断する。夏休みに入って家族連れ客の書き入れ時に試合をしない、ここまでくると、お人よしも馬鹿のうちというか、気味が悪いレベルだ。

お飾りの熊崎勝彦コミッショナーには、野球界が置かれている状況が全く理解できないのだろう。

日本一人気のあるプロスポーツであるプロ野球、ナショナルパスタイムであるプロ野球は、スポーツの祭典、オリンピックに全面的に協力すべきだ、ということだろうが、観客目線に立てば、こんな馬鹿な決定は絶対にできない。

ほっといたって五輪期間中は五輪五輪になるのだ。アナウンサーのあほ絶叫が続いて、はっきりいって、うんざりもする。そういうときに、プロ野球があれば、食べつけないご馳走ばかり食べてきて、お茶漬けの味にほっとするような安心感を抱くファンもたくさんいるのだ。

五輪を盛り上げるというのは、五輪の期間死んだふりをするということではなく、たとえばユニフォームの袖に「がんばれ日本」のマークを付けるとか、7回に日本のアスリートを応援するビデオを流すとか、その日のメダリストの紹介をするとか、要するに「連動」することだと思うのだが。

やくざの賭場の譲り合いじゃあるまいし、「東京五輪さんのショバはあらしませんぜ」と言ったって何の意味もない。そもそも五輪委が喜ぶとも思えない。

その期間、五輪の野球競技もやるだろうが、たかだか6チームの争いだ。しかも延長なしの7回タイブレークになる可能性が高い。野球ファンには欲求不満が募るようなものになるはずだ。

神宮球場の件でごねたことの入れ合わせをつけたつもりかもしれない、野球を五輪競技にしてもらったことのお礼のつもりかもしれないが、ビジネス感覚皆無のNPBには、本当にあきれる。あほかと思う。

揺るぎないのは熊崎勝彦コミッショナーの無能と無責任の方である。

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